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第1173話

Auteur: レイシ大好き
「え?そこまで?いいよそんなの」

清那の言葉を聞いた紗雪は、少しばかり気恥ずかしそうに笑った。

まさか清那の両親まで、自分たちのことをここまで応援してくれるとは思ってもみなかった。

「心配しないで。資金のことは、私の方でなんとかするから」

紗雪は最初からスタジオを立ち上げるつもりだった。

ただの思いつきで言ったわけじゃない。

もし本当に口先だけなら、誰も信じてくれないだろう。

「じゃあ、場所の選定は手伝おうか?」

清那は本気で紗雪と一緒にやっていくと決めた以上、何もしない無能なパートナーにはなりたくなかった。

少しでも力になりたかったのだ。

何より、彼女がずっと苦労してきたのを見てきたから、これ以上疲れさせたくなかった。

「場所はもう大体決めてある。今はオーナーと条件の話をしてるところ」

紗雪は用意しておいた企画書を取り出し、清那に見せた。

「これが会社の計画案。まず、私と清那の二人だけじゃきっと足りない。

あとで数人は採用するつもり。できれば五人以内に抑えたいと思ってる。それが初期構想ね。そして、前に一緒に働いていたアシスタントも参加する予定」

清那はすぐにうなずいた。

「全然問題ないよ。必要なことがあったら、遠慮なく言って」

「今の私の一番の願いは、デザインに専念すること」

紗雪は机の上のコーヒーに視線を落とした。

「母のことは、もう何も期待してない。

彼女が会社を緒莉に譲るって言うなら、それでいい」

「おばさんは紗雪のこと見誤ってるよ。きっといつか、紗雪の本当の価値に気づくはず」

清那はそう言いながら、目の前の紗雪を見つめた。

胸の奥に、どうしようもない切なさが込み上げてくる。

二人は子どもの頃からの知り合いだ。

紗雪がどれほど優しい人間か、清那は誰よりも分かっていた。

だから彼女がどれほどの苦労を背負ってきたかも知っている。

どれだけ我慢しても、緒莉は紗雪を許さない。

あの女は生まれつき疑い深い。

プールでの出来事から今日まで、紗雪がどれだけのことを乗り越えてきたか、清那はすべてを見てきた。

だから緒莉にだけはどうしてもいい顔ができなかった。

あんな人間と関わると、いつ牙を剥かれるか分からない。

そんな不安と隣り合わせなのだ。

「大丈夫。たとえ母が気づいたとしても、もう意味はないわ」

紗雪は
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