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第746話

Author: レイシ大好き
こうして一つひとつ積み重ねてきたからこそ、今の成果がある。

だから紗雪は、一瞬たりとも気を緩めることはなかった。

一方、清那も紗雪の生活習慣をある程度は分かっていた。

これだけ長い間返事がないのなら、きっと問題集を解いているのだ。

そうでなければ、彼女がこんなに無反応なはずがない。

普段からお互いの性格はよく分かっている。

なにかあれば、すぐに相手の気持ちを察するくらいには親しい。

だが今、この瞬間の紗雪に気づいてやれる人は誰もいなかった。

寮にいる清那は、気が気でなく落ち着かない。

窓際に立ち、外の空を見上げると――

黒雲がびっしりと覆い、心臓がぎゅっと縮む。

さっきまで空はこんなじゃなかったはずだ。

ほんのわずかな時間で、どうしてこんな漆黒に......

スマホを確認すると、紗雪からの返事はまだない。

画面の時刻は、まだ午後一点ちょうど。

これって本当に普通?

ただの雨の前触れなだけ?

清那は両手を胸の前で合わせ、必死に祈った。

「お願い、今日はただの雨であって......天災なんかじゃありませんように......

紗雪は絶対に無事。絶対に何も起こらない。

どうか、神様、私の一番大事な親友を守ってください......!」

そんな清那の様子を見て、周りの子たちも胸が痛んだ。

けれど今、彼女を外へ行かせるのは死にに行かせるようなもの。

普段は明るい太陽みたいな清那が、こんなふうに怯えて縮こまるなんて......

誰も見ていられなかった。

何より、これは一人の命がかかっている。

紗雪は魂の姿で清那のそばに立ち、その焦りようを見てようやく悟った。

事故の時、自分は清那を誤解していたんだ。

あのとき、彼女がわざと待ち合わせをすっぽかしたと思っていた。

ホールに来るのが怖くて、逃げたんだと。

だが違った。

実際には、清那は寮から一歩も出られなかったのだ。

あの日――

お兄さんに助けられて生き延びた後、最初に目にしたのは泣きじゃくる清那の顔だった。

涙と鼻水でぐしゃぐしゃになって、ひどく可哀そうに見えた。

紗雪は何か言いかけたけれど、彼女のあまりの罪悪感に、最後は言葉を飲み込んだ。

それ以来、一度もこの件を口にしたことはない。

本当に、ずっと「彼女は出てきていたけど、ホールへ来る勇気がなかった」と信じ込
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