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第1251話

Author: 落流蛍
小早川が振り向いた瞬間、カップを手にした華恋と鉢合わせした。

「きゃああああ、幽霊だ――」

悲鳴を上げたのは小早川だった。

その叫び声が響いた途端、隣の部屋から慌ただしい足音が聞こえ、一つの高い影が飛び出してきた。

だがその大きな背中は、ドアの外の光景を目にした瞬間、ぴたりと固まった。

華恋が必死に女の幽霊の髪を引っ張っていたのだ。

いや、この世に幽霊などいない。つまり、ある女性の髪をつかんでいたのだ。

その女性は痛みに耐えきれず、後ずさりしていた。

場は一気に混乱した。

そのとき、暗い廊下の照明がぱっと点いた。

そして女の幽霊の顔が灯りの下にさらされた。

その幽霊が小早川だったと分かった瞬間、華恋だけでなく時也までもが呆然とした。

「どうしてあなたなの」

華恋は小早川から引き抜いた髪を手にしたまま、まだ頭が追いついていなかった。

やがてはっとして時也を振り向いた。すぐに事情を察した。

「分かったわ。幽霊に扮して、誰かに私を助ける演出をさせるつもりだったのね」

そう言ってから時也を見つめた。

「賀茂時也、あなたがこんなにくだらない人だなんて、前は気づか
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