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第834話

Autor: 落流蛍
「そうだ、全員だ」

時也は淡々と答えた。

けれど、商治にはその言葉が何を意味しているのか、痛いほど分かっていた。

「ダメだ、それはまずい。お前がそんな手を打てば、賀茂之也に付け入る隙を与えることになるぞ。あいつが今、SYを虎視眈々と狙ってるのを忘れたのか?」

かつて之也は、時也の父の会社を乗っ取ろうとしたことがあった。

その企みを時也が察知したことで、二人の間に深い溝ができた。

之也はもともと孤児で、時也の父に引き取られたあと、ずっと賀茂家で暮らしていた。

だが賀茂家は知らなかった、この少年が最初から獣だったことを。

賀茂家の門をくぐったその日から、すでに彼は時也の父の財産を狙っていたのだ。

その獣が、もしも今、時也がすべての手下を華恋に回していると知れば、間違いなく動いてくる。

そういったことを、やつはこれまで何度もやってきたのだ。

「華恋には、傷一つ負わせるわけにはいかない」

「けど、お前がSYを失ったら、華恋を守る力だってなくなるんだぞ!」

商治は苛立った様子で声を荒げた。

二人の言い合う声はすぐに、華恋と千代を呼び寄せた。

「どうしたの?何の騒ぎ?
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