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第891話

Penulis: 落流蛍
話を終えると、華恋は車を発進させ、闇の中へと消えていった。

それを追ってきた暗影者たちは、その光景に一様に呆然とした。

とくに坊主頭は、思わず口を開いた。

「ちっ......あの女、何をするつもりだ!?」

敬吾さんもまた華恋の行動に驚き、しばらく声を失っていたが、やっと絞り出す。

「一体何を考えている?ボディガードを置き去りにして......死に行く気か」

坊主頭は得意げに鼻を鳴らした。

「だから言っただろ、あの女は化け狐みたいなものだ。ボスは惑わされただけさ」

その時、前方でボディガードに話を聞きに行っていた仲間が戻ってきた。

険しい表情を浮かべ、皆の視線を受けながら低い声で告げる。

「......ボスがどうやら危ないらしい」

「なに!?」

車内は一瞬で騒然となった。

坊主頭は思わず立ち上がった。

「ボスが危ない?そんなはずがない!」

「今は問いただしてる場合じゃない」戻ってきた者は車に飛び乗り、短く言い放った。

「急いで南雲様を追うぞ」

坊主頭は呆然としたが、数十秒の後にようやく気づいた。

「つまり......彼女が出ていったのは、ボスの危機を知っていたから?」

男は答えなかった。だが、その沈黙がすでに答えになっていた。

車内に静けさが落ちる。やがて敬吾さんが口を開いた。

「......だからボディガードを降ろしたのか。無関係の人間を巻き込みたくなかったのだろう」

刃の上を歩んできた者たちからすれば、それはあまりにも甘い判断だった。

だが今回ばかりは、誰一人としてそう感じる者はいなかった。

むしろ、華恋の行動に微かな敬意を抱き始めていた。

沈黙のまま、車列は前へ進んでいる。

一方その頃、後ろの事情など露知らずの華恋は、ただひたすら目的地へと迫っていた。

彼女の運転は荒く、心臓は飛び出しそうだったが、瞳の奥には揺るがぬ決意が宿っていた。

そして制限時間ぎりぎり、ついに倉庫の前に辿り着く。

漆黒の夜、二本のヘッドライトだけが周囲を照らす。

車を降りた華恋は、数歩進んだ途端に完全な闇に飲み込まれた。

それでも、彼女は一切怯まなかった。

倉庫の扉に手をかけ、一気に押し開けた。

中は静まり返り、何も見えない。

息を吸い、華恋は携帯のライトを点けた。

するとすぐに、隅に横たわる人影を見つける。

男はボロ
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