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第593話

Auteur: 魚ちゃん
「以前、あるパーティーで、あなたのお父様と……今の奥様に一度会ったことがあるわ」と朱美がさらりと言う。

潤は苦笑交じりに浅く微笑んだ。朱美のような人物なら、どんな集まりに参加しても、人々の注目の的だ。

上流階級という閉鎖的な世界にも、厳然たるヒエラルキーが存在する。

潤は頂点に立っているし、父の湊も尊敬されている。

でも継母の真奈美には、その「品格」も「運」も持ち合わせていない。

彼女は湊とは再婚で、潤の実母でもないし、実家にも特別な背景がない。息子を産んだけれど、潤との関係も希薄だ。

そんな立場では、たとえ「二宮夫人」の肩書きがあっても、本物のセレブたちから注目されることはない。

でも朱美は違う。まず実家の河野家が並大抵ではないし、朱美自身の能力もカリスマ性も非常に高い。

だからあのパーティーで、真奈美が何度も朱美に取り入ろうと必死だったのを覚えている。

朱美は人と表面的に付き合う性格ではないし、人を見る目が鋭いから、真奈美の浅ましい本性は一目で見抜き、相手にしなかった。

真奈美は冷淡にあしらわれても文句も言えず、家に帰って湊に愚痴をこぼしたら、逆に叱られたという
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