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第十一話「記憶を辿って」

ผู้เขียน: 河内謙吾
last update ปรับปรุงล่าสุด: 2025-10-30 11:00:00

 りかと別れた想は、一人、頭を抱えていた。

記憶にない自身の行動、そして鍵を握る「記憶研究所」。混乱の渦中で、彼は決意を固める。

「……行ってみるしか、ないよな」

 彼女から教わった住所を頼りに、想は目的の場所へと向かった。

 道中の景色にも、記憶の断片すら残っていない。

「本当に……俺、ここに来てたのか?」

 目の前に現れたのは、街の図書館ほどの規模の、無機質な四角い建物。いかにも“研究施設”といった外観で、特に異様な印象はない。

 そして、門の脇には小さな看板が掲げられていた。

『観測庁 記憶研究所』

「無駄な税金で建てられた箱物、って言われそうな見た目だな……」

 冗談めかした独り言で気持ちを紛らわせる。だが、いざ入るとなると、思った以上に足がすくむ。

「……いきなり入っても、いいものなのかな?」

 門の前で何度か行ったり来たりを繰り返す。

 周囲の視線が気になり、次第に気恥ずかしさが勝ってくる。

「……ええい、もう……!」

 意を決して、施設の中へと足を踏み入れる。

「こんにちは〜」

 受付にいた女性職員に、なるべく自然に声をかけた。

「いらっしゃいませ。本日はどのようなご用件で?」

「あ……いえ、特に用事というわけじゃないんですが、こ

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