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第1277話

Author: 北野 艾
ソファの端に座っていた大吾が、バネに弾かれたように立ち上がった。

「どういう意味だ!?由木社長はお前のことを一番大切にしてくれてるじゃないか!たかだか60億だぞ!?」

「……一番大切?」

璃々子の口から、乾いた笑い声が漏れた。

喉の奥から絞り出されたその声は、まるでガラスの破片で鉄板を引っ掻いたような、耳障りで歪な音だった。

「アハハッ……一番、大切……ッ」

彼女は腹を抱えるようにして身を屈め、ガタガタと肩を震わせて笑い始めた。

狂ったように笑うたび、目尻から大粒の涙が飛び散り、膝にボタボタと落ちていく。

そのあまりにも異様な姿に、大吾と蓉子は背筋に冷たいものが走るのを感じ、一歩後ずさった。

「あの男はね、私が買ったファンドが確実に紙屑になるって知ってたのよ!それでも一言も私に警告しなかった!

私が借金まみれで泥沼に沈むのを、ただ冷たい目で見てたのよ!

そして完全に追い詰められた私に、二度と国に帰れないのを条件に『海外へ逃げろ』って言ったの!」

顔を上げた璃々子の表情は、完全に常軌を逸していた。

血走った目で両親を睨みつけ、ヒステリックに叫ぶ。

「何が大切よ
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Comments (2)
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トラ子
澪士はミキの墓参りを知っているはずだから、その辺りに潜んでいると信じたい。
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柴田 有美
ミキちゃん拉致か虐待されそうじゃない? 誰が助けにくるかな? ここで澪士来ないと!
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