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第273話

Author: 北野 艾
相手はあのラウンジのキャストだろうか。

確信は持てないが、体つきは引き締まっていたような気がする。

それに、テクニックも相当なものだった。

それは今日の全身の筋肉痛が雄弁に物語っている。

もう少し手加減してくれてもよかったのに……

身支度を終えた詩織は、沙羅に電話をかけた。

コール音が長く続いた後、ようやく出たのは例の年下の彼だった。沙羅はまだ夢の中らしい。「夕べは張り切りすぎちゃって」と笑い混じりに言われた。

どうやらあちらも、激しい一夜だったようだ。

詩織は彼に、沙羅が起きたら連絡をくれるよう伝言を頼んだ。

沙羅から折り返しの電話があったのは、それから二時間後のことだった。声はひどく枯れている。

詩織は昨晩の状況について尋ねてみた。

しかし沙羅は、「覚えてるわけないじゃない。こっちは自分のことで精一杯だったし、あなたがいつ帰ったのかすら記憶にないわよ」と言うばかりだ。

これで詩織の謎は深まるばかりだった。

もしかして、自分でキャストを呼んだのだろうか。

「ねえ詩織さん、昨日の酒、なんか変じゃなかった?変な混ぜ物でもされてたんじゃないかしら。昔あったのよ、
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