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第312話

مؤلف: 北野 艾
「混乱を招いてしまい、誠に申し訳ございません」

スタッフは平身低頭して謝罪しつつも、有無を言わせぬ口調で促した。「開会のお時間も迫っておりますので、恐れ入りますがご協力をお願いできますでしょうか」

志帆は不満を抱きながらも、スタッフの誘導に従って立ち上がった。

彼女が席を立つや否や、別のスタッフが素早く新しいネームプレートを貼り付けにくる。

志帆は立ち去り際、何気なく振り返った。

ちょうどスタッフが、元々「柏木志帆」と印字されていたプレートの上に、新しい名前を上書きしているところだった。

その名前が、目に飛び込んできた。

『江崎詩織』

足が止まる。我が目を疑った。

どうして……江崎詩織なの!?

なんであの女が!?

志帆は反射的に踵を返し、もう一度確認しようとした。

だが、誘導のスタッフがそれを遮る。「柏木様、こちらへどうぞ!お時間が押しておりますので、ご協力をお願いいたします」

こうして志帆は、腸が煮えくり返るような思いを抱えたまま、後方の席へと連れて行かれた。

そこはメインテーブルからは遥か彼方、会場の隅と言ってもいい末席だった。

志帆の表情が険しく歪む
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