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第577話

작가: 北野 艾
バッグのストラップに爪が食い込むほど力を込め、志帆はどうにか怒りを押し殺した。「……では、いつならお時間が?ビジネスの話があるの」

「生憎ですが、当分スケジュールは埋まっております」密は平然と、そしてあからさまに軽蔑の色を浮かべて答えた。

完敗だった。志帆は屈辱に顔を歪ませながら、逃げるようにその場を去るしかなかった。

車に戻ると、助手席の美穂が身を乗り出してきた。「どうだった?」

志帆は、先ほどよりも一層険しい表情で答える。「……会ってもらえなかったわ」

「はあ!?なにそれ、調子乗ってんじゃないわよ!」美穂が金切り声を上げて罵る。「ちょっと成功したからって、いい気になって!」

罵倒したところで、現実は変わらない。八方塞がりだ。

「どうするの?もう諦める?」美穂が心配そうに覗き込む。

「諦められないわよ!」志帆はギリッと奥歯を鳴らした。

ここで引くわけにはいかない。それは破滅を意味する。たとえどんなに屈辱的でも、あの女に頭を下げるしか道はないのだ。

「でも、門前払いじゃ話もできないじゃない」

「……場所を変えるしかないわね」志帆の脳裏に、週末の予定が浮かんだ。「彼
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