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第673話

Autor: 北野 艾
空港でミキを見送った後、詩織はそのまま病院へ向かった。そこで母の初恵と合流する手はずになっていた。

到着すると、初恵はすでに三つの小検査を終えていた。残る二つの大きな検査は、詩織が付き添って回った。

結果が出るまでには時間がかかる。二人は外来の待合ベンチに腰を下ろして待つことにした。

その時、詩織のスマホが鳴った。高村教授からだ。

「論文、非常によかったよ。いくつか修正点をメールで送っておいたから確認しておくように。直したら、SSCI(国際的な学術誌)に推薦枠で送るつもりだから」

それはつまり、高村教授のもとでの単位をすべて修得し、課程を修了できることを意味していた。

詩織が胸を躍らせていると、廊下の向こうから慌ただしい足音と車輪の音が近づいてきた。

「道を開けてください!急患です!そこ、下がって!」

先頭を走る医師が、廊下の人々に大声で注意を促しながらストレッチャーを押してくる。

脇を走る別の医師が、携帯電話で救急科に怒鳴るように病状を伝達していた。

「……はい、移植後の合併症です!腎臓摘出後の感染症と血栓で意識不明!大至急、処置室の準備を!」

腎臓摘出?

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