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第762話

Autor: 北野 艾
車内で、璃々子は泣き出しそうな声で白彦に訴えかけた。

レッドカーペットの参加権を一方的に取り消されたことを、これ以上ないほど哀れっぽく語る。

「やっとの思いで掴んだチャンスだったのに……江崎さん、私にそんなに酷いことするなんて」

彼女の大きな瞳には涙が滲んでいる。

「私、何か悪いことしたのかな?ただ、自分の仕事を必死に守ろうとしてるだけなのに……」

白彦はしばらく黙っていたが、やがて短く言った。「……俺と一緒に入ればいい」

まさに璃々子が待ち望んでいた言葉だった。しかし彼女はすぐに飛びつかず、わざと躊躇ったふりをする。「でも……おばあさまが仰ってたじゃない。私のことには一切関わるなって。私、あなたの立場を悪くしたくないの。おばあさまとの関係が悪化したら大変だし、ご高齢だから刺激しちゃいけないって……」

璃々子が他のエリアで仕事を干されていることは、白彦も知っていた。

だが、彼の祖母・サワが「璃々子には一切手を貸すな」と厳命していたのだ。

璃々子はその言いつけを守るふりをして、白彦に泣きつくことなく、健気に自力で頑張る女を演じ続けてきた。

ほら、効果覿面だ。

結局、
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