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第148話

Author: 花咲 錦
啓介はそのまま車を走らせ、星歌を星墨山まで送り届けた。

道中、二人は示し合わせたかのように、ただの一度も飛鳥の話題を口にしなかった。

星墨山に到着し、星歌が車を降りようとした時、啓介が静かな声で呼び止めた。

「ここまで事態が拗れた以上、お前と飛鳥が元の鞘に収まることは二度とない」

彼はじっと星歌を見つめた。

「冴島家の中には、本気でお前の命を狙っている人間がいる。それに……」

そこで、啓介の言葉が途切れた。

二人の視線が交差する。

その瞬間、星歌は啓介の黒曜石のような瞳の奥底に吸い込まれそうになる錯覚を覚えた。

「それに、お前の命を狙う敵は『一人』じゃない」

啓介は念を押すように告げた。

「……」

その言葉を聞いて、星歌の心は冷たく重く沈み込んだ。

――ええ、分かっている。一人じゃない。

冴島一族にせよ、夏蓮の母親である陽子にせよ、彼らは長年、この本港市の頂点に君臨し続けることに慣れきっている。

彼らに逆らう者など誰もいなかった。

彼らの言葉は絶対であり、黒を白と言えば白になる世界で生きてきたのだ。

しかし、この数日間の星歌の容赦ない報復は、間違いなく
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