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第4話

Author: ふっくらねこ
貴史は冷笑を浮かべると、近づいてきて私の腕を乱暴に掴み上げた。

「家に戻るぞ!

喜代美!お前が俺のもとを離れたがってた理由はこれか!

親父が出てきたから、そのつもりになったんだな!

言っておくが、お前が逆らうなら、俺にはいくらでもお前の親父に報いを受けさせる術があるんだぞ!」

私は信じられない思いで貴史を見上げた。

「どうして?

貴史、父はもう五年間も服役して、十分に罪を償ったわ。

これ以上、父をどうしようっていうの!」

貴史は悪魔のような表情を浮かべ、鼻で笑った。

「これはお前たち親子が俺に負ってる借りだ!

当然の報いなんだぞ!」

彼が合図を送ると、玄関の外から二人の男が入ってきた。

彼らは手にした棒を握りしめ、真っ直ぐに父のもとへ歩み寄った。

私は必死に駆け寄ろうとしたが、貴史の強い力に押さえつけられた。

目の前で、父が男たちに組み伏せられた。棒が雨あられのように、父の体を叩きつけた。

私は胸が締め付けられるように感じ、貴史の腕を叩いた。

「やめて!お願い、やめて!

戻るわ!あなたの言う通りに戻るから、お願いだから止めて!」

その言葉を聞いて、貴史はようやく手を挙げさせた。

彼は冷ややかに笑った。

「これが、身勝手な振る舞いへの罰だ。

今回は軽い見せしめだが、覚えておけ。

俺にはいくらでもやり方があるんだ」

彼が手を離すと同時に、私は父のもとへ駆け寄った。

父は痛みをこらえ、震える手で私の頬の涙を拭った。

そして、無理に作った笑みを浮かべて、私を見つめた。

「喜代美……お父さんは知らなかったんだ。君がこの数年、こんな思いをしてたなんて。

お父さんが悪かった。馬鹿だったんだ。

大丈夫だ、待っていなさい。お父さんが必ず、すべてに決着をつけてやるから!」

貴史はその様子を冷ややかに見下ろし、私を引きずるようにして立たせた。

「別れの挨拶は済んだか?

喜代美、お前が大人しくしてさえいれば、親父が余計な目に遭わずに済むんだ!」

そう言って、彼は私を連れ去ろうとした。

父はよろめきながら立ち上がった。

「貴史君、君は後悔することになるぞ。

これほど喜代美を傷つけておいて、ただで済むと思うな!絶対に後悔させてやる!」

その声には、揺るぎない決意が込められている。

貴史は振り返り、憎しみに満ちた視線を父に向けた。

「人殺しの子に生まれた彼女こそ、後悔するべきなんだ!」

……

貴史は私を右原家へと連れ戻すと、床に激しく投げつけた。

彼の表情は暗く沈んでいる。

「喜代美、たかだか五年で償いが終わるなんて思ってないだろう。

言っておくが、俺は一生お前たちを逃がさない!

死ぬまで俺の傍らで罪を贖い続けろ!

もしこれ以上余計な真似をしたら、その時はお前の親父に命で償わせる」

私の顔は絶望に染まっている。

目の前の貴史は、怒りで顔を完全に歪めている。まるで命を刈り取る鬼のようだ。

私は震える声で問いかけた。

「貴史……父は昔、あんなにもあなたに尽くしてたじゃない。どうしてこんなひどいことができるの?」

幼い頃、貴史の両親は商売に明け暮れていた。

お抱え運転手だった父こそが、貴史と過ごす時間が最も長い大人だったのだ。

学校の送り迎えはもちろんのこと、冷え切った右原家に戻るのを嫌がる貴史を、父はよく家へと連れて帰ってくれた。

貴史は私と一緒に宿題をし、一緒にご飯を食べ、一緒に遊んだ。

彼は父のことを、本当の家族のように思っていた。

大人になってからも、貴史は私に誓ってくれた。

私と結婚し、一生大切にすると。私の父を実の親のように敬い、最期まで面倒を見ると。

……

貴史は狂ったように笑った。

「それがどうした?だから俺の父さんを殺したのか?

喜代美、言ったはずだ。お前が以前のように、身の程をわきまえて従順でいれば、親父には手を出さないとな!」

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