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戦いのとき③

Author: 藍沢咲良
last update publish date: 2026-10-11 08:00:30

白鷺学院から地下鉄で2駅にある繁華街。その大きなカラオケ屋の一室で、俺と律樹の計画は決行された。

白鷺学院の奴らは4名。男子校で育っているはずなのに、女の扱いは律樹より上手いとの前評判。どういうことだよ。勉強できて女も選べてって何その人生イージーモード。

対して、翠嶺の女子は5人。仲介人の律樹を入れて男が5人というカウントだ。俺はそのカラオケ部屋の隣に待機。何だよこれ。バラエティ番組で見たことあるやつ。ウケる。

律樹のスマホ、LINE通話しっぱなし状態。おかげで様子が俺にもよくわかるという、白鷺学院の幹事、輝羅きらの発案らしい。

期末テストが終わった、その土日。れいなちゃんは採点で忙しいらしい。俺の今日の予定、塾·に·籠·る·ということになっている。裏切るわけではないんだ。ごめんな、れいなちゃん。

宴が始まった。『翠嶺の女子ってこんなに可愛いんだな』と輝羅の声が聞こえる。サービストークか。女子勢を口説き始めたら律樹が席を外してこっちに来る算段だ。

『俺、ちょっとトイレ……ええ〜、律樹くん、わたしも行くう……』

うわまじか。ナントカ沙智ってやつが律樹に絡んでる。こいつ、律樹狙いだ
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  • 仮面の告白〜甘美な誘惑に堕ちたわたしたちは、甘い蜜から逃げられない〜   知りたくなかった①

    まさか、絢斗がここに来てたなんて。テストの採点があと少しになったとき。匿名の情報提供があった。『大きなカラオケ屋をラブホテル代わりにしている高校生がいる』という内容だった。そのとき校内にいたのは私、鈴木先生、横井先生だけだった。他の先生方は帰った後だった。「──何で私が休日出勤してるときにこんな通報来るのよ」とブツブツ言う鈴木先生を宥めながら横井先生と合流した。匿名とはいえ、通報があったら様子を確認したという履歴を残さないといけない。採点は無事に終わった。本当は絢斗と合流したかったけど、絢斗は今日塾にいるって言ってたからそれは叶わない。時間外労働なのが気になるけど、行く以外の選択肢は無かった。「通報によると、いわゆる乱交をしているようです」横井先生はスマホでデータ化した今回のメモを読み上げた。「どうせ偏差値低い高校の子達でしょ?ウチにそんなことやる子なんていないわよ」鈴木先生の言葉に同意だった。それなりに大変さは味わってるけど、でも偏差値高いので有名なのが我が校、翠嶺だ。カラオケ屋の一室を取る。この3人でカラオケって。事情を知らない人が見たらカオスだ。笑っちゃう。何も見つからなかったら、もういっそこのメンツで歌うのもアリかもしれない。土曜日のカラオケ屋は満室とは言わなくても、それなりに混んでいる。このカラオケ屋はビルの一階からかなり上の階まで、全てカラオケルームになっていて、地区の中では一番大きい。ということは、このビルの部屋、全部チェックするのか。気の遠くなる作業に軽く眩暈がした。休日出勤なんて、するもんじゃない。拠点を出て、3人で手分けして部屋をチェックしていく。ドアの縦に長い窓から見えるのは、休日にカラオケを楽しむ中高生、学生、ZOOMをしている社会人。キッズルームなんてあるのか。広い部屋に小さな子が遊ぶマットがあって、それを見ながらママさん達が歌を歌わずにずっとお喋りしている様子だった。この階は特に問題無し。即席で作ったグループLINEに報告する。次の階か。あれ?横井先生だ。『5階、該当しそうな高校生いる部屋が沢山います。5階に集合願えますか?』目星が付いたのか。やだな。乱交の瞬間に私踏み込むの?あんまり見たくないんだけど。うちの生徒がいないってわかっちゃいるけど、それでもいい気分にはならない。『わかりました。向かいま

  • 仮面の告白〜甘美な誘惑に堕ちたわたしたちは、甘い蜜から逃げられない〜   戦いのとき④

    足を忍ばせてその部屋に近づく。部屋のドアから3メートルぐらい。女たちの喘ぎ声が聞こえる。まずいじゃんこれ。店員来たら一発アウトじゃん。周囲を見渡すと、他の部屋も同じような状況になっていたことに今更気付いた。嘘だろ。ここって、ヤリ部屋目的のカラオケ屋だったわけ?俺、去年ツレと来たときそんなことなかったぞ?喘ぎ声なんて皆無だった。……ああそうか。あの時は男しかいなかったからか。男祭りしてたからそういう感じの階の部屋ではなかった。そういうことか。店員もグルなのか。裏で金でも握らせてるのか。「白鷺学院の生徒の御用達カラオケらしいぞ」そう言っていたのは律樹だ。律樹はこの店の闇を知ってるのかもな。さあ、うちの女子たちの喘ぎ声を聴かされたからもういいか。……じゃなくて。白石だ。今回の目的は、白石の俺とれいなちゃんへの執着を削ることだ。それには白鷺学院の誰かに白石が抱かれてしまえばいい。白石のことだ。あいつは顔と学力の偏差値と女子間のマウントが取れるキラキラさがあればいいんだから。俺に目をつけたのも、そういうことだろう。一応確認しとくか。見たくも聞きたくもないけど。本当だ。知ってるやつの最中って全く興奮しない。嫌悪しか無い。ああ、れいなちゃんに会いたい。じゃなくて。白石。白石はどこだ。嫌な汗が止まらねえな。ドアの窓に自分が映らないように。ぎりぎりの斜めから目視。暗めの照明。限界まで照度落としたな。ヤってるのが見えないように、か。人の塊が4箇所。そのうちの……奥左側。いた。上に乗っかってるし。ねちっこいキスをする男らしい。揉まれながら腰動かして、まあ、楽しんでんだな。確認できた。よし。長居は無用。足音を立てないように。早く律樹のもとへ戻ろう。「──え?」視線の先に、絶対に見間違えない、その人がいた。どうしてれいなちゃんが、このカラオケ屋にいるんだ……?嘘だろ?れいなちゃんは今日は採点で忙しいって……。あれは、れいなちゃんじゃないのか?俺が間違えるわけがない。骨格のつくり、髪の艶、何よりも空気感。あれはどう考えてもれいなちゃんだ。考えるよりも先に足が動いた。様子を見ればいいのにって、後から思うのだろう。でもできない。今動くしかない。れいなちゃん、なぜだ。なぜ俺に嘘ついてカラオケ屋なんかに来てるんだ。しかもヤリ部屋兼ねてる階にいるってどういうことだよ!れい

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