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第293話

مؤلف: 錦織雫
紬はこのチューリップの花束がすっかり気に入ってしまった。

以前、家を整えていた頃は、いつも花屋へ行って新鮮な花を買い、花瓶に活けていたものだ。家全体が生き生きとして、生活に彩りが添えられるような気がしたから。

祝福の意味を込めて花を贈るというのは。

この高級リゾート山荘でイベントを開催するなら、さすがは一流のホスピタリティだ。

彼女は花を抱えてメイン会場に入った。向こうに承一と笑美の姿が見える。二人がこちらに手招きした。

紬が近づくと、笑美が驚いた様子で彼女の腕の中の花を見た。「すごく綺麗だね。誰から?」

紬は周囲を見回したが、仁志の姿は見当たらない。それから言った。

「山荘側が用意してくれたものと。あなたたちには?」

笑美は途端に不機嫌になった。「何だよそれ!私たちだけ仲間外にされたの!」

承一も不思議そうに花びらを触った。

「今日のメイン会場で使われている花はユリだぞ。どうしてお前にはチューリップなんだ」

紬も理解できなかった。でもまあ、構わない。ただの飾りというだけのことだ。

承一も深く追求せず、今日はフライテックにとっての良き日だからと、スマホを掲げて言
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