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9.ヤキモチ

Author: 犬畜生
last update publish date: 2026-08-24 17:18:19

お風呂は想像以上に良かった。

旅館のお風呂を小さくしたような感じ。

聞けばやはり異世界人達の中に風呂だけは!って人達が居たらしい。ありがとう先人達。

とは言えこの神殿以外だとそこまで普及はしていないようだけど。

湯浴みが終わり、食事も頂いた。

食事は…パンにサラダといった感じのものだった。

異世界の食事は…まぁこんなもんかって感想だな。

「ルーナさん、お風呂と食事ありがとう」

「いえ。こちらが一方的に召喚してしまっているのです。これでもおもてなしとしては足りないと思っています」

なるほど。負い目はあるのか。

よくあるラノベだと、召喚しておきながら従え!的なものあるけど、そういった訳ではないと。しかしそうなると召喚している理由とか気になるよな。

「それではお話を始めさせて頂きますね」

まぁその辺も聞けるのかな。

〜〜〜

ルーナさんの話としてはやはり召喚理由からだった。

色話されたが要約すると。

1、この世界は元々色々な世界の存在が集まってできた世界。と言われている。そして役割を果たせなかった者、果たさなかった者が定住している。

2、世界を維持するのに異世界から召喚するべきものだと古来より伝わっている。

この世界に定住したもの同士から産まれた子供には基本的に役割がなく、特別な力を持たない。

3、この世界には魔物が居て、役割を持つものは個人差はあるものの特別なチカラを持つため戦うことができる。

そのため召喚が必要になる。と言われている。

ここまで聞いてちょっと疑問が生まれたな。

「ルーナさんも召喚された人なのか?」

「いえ。私は…この世界にて産まれた者です」

「しかし今の説明だと、それだと役割を持たないから特別なチカラが無いとならないか?あの水晶とかは違うのか?」

「それにつきましては私の力の説明と含めてお話し致しますね」

ルーナさんの続いての話しはこうだ。

4、この世界に元々こちらの世界にいる者だけがなれる役割が有る。ルーナさんもそれでなっている。

5、ルーナさんの役割は大神官ではなく、水晶を宿す者、クリスタラーとのこと。

「私の水晶を宿す者、クリスタラーは生涯を終える際に次の者に引き継ぐものとなります。役割を簡単に言いますと、召喚された方の役割を伝え導く、災いをもたらす者を封印する、と言ったところですね」

「なるほど。チュートリアルの担当と、バグの排除的な役割ってことか」

…どう考えてもバグが今目の前にいる訳だけどな。

「…?例えがよくわかりませんが、多分そういう事だと思います」

伝わらなかった。そりゃそーか。

「申し訳ない。でその役割を話すのに何か言いにくいって言うか重い話があるんじゃないのか?」

「よくお分かりになりましたね」

「何となく…な」

「そのお話としまして、まずユウキ様のお力についてですが、一旦封印させて頂きたいのです」

「封印!ダメだよ!ユウキは封印させないよ!」

ハルが食ってかかる。

「落ち着け。今の言い方だと完全に封印するって訳じゃないんだろ?」

「はい。ハル様ご不安にさせて申し訳ありません。一部分と言いますか、力が溢れないようにさせて頂きたいのです」

「なるほど。昨日は少し出ただけで歯止めが聞かなくなってしまったもんな」

「はい。そこで…この腕輪を身につけて頂きたいのです。これをつけていればご自身の意思でない限り力が外に出てくることはございません」

そういってルーナさんの掌の上にクリスタルの腕輪が現れる。やっぱ昨日の水晶も作り出していたか。

どこから出してんだろう?と思っていたからな。

「わかった。これを身につければいいんだな。ちょっと大きい…か?」

と腕を通してみると、腕輪のサイズがピッタリになる。

「あ、自動的にサイズ調整されるのか。これでいいんだな?」

「はい。ありがとうございます。その腕輪の力として、先程言った通りご自身の意思がない限り力は出ません。逆に言えばユウキ様が望めば力は出せます。…もっとも…」

「わかっている。あの力を望んで使いたいとは思っていない。ただそうすると俺は魔物と戦う力が無いって事…かな?」

「いえ。異世界から召喚された方々には役割の力とは別に魔法を使うための魔力、物理的に戦う為の闘気をお持ちになります。なので基本的に戦う事は可能です。そうでありませんと、役割が戦うためのもので無い方は戦えませんし」

「確かにそうか。その魔力、闘気の扱い方も教えてもらえるのか?」

「はい。後ほど」

「了解した。ハルもここまではわかった…か?ってどうした?」

会話に全然参加してこないハルの方へ振り向き声をかけたのだけれど…

なんでそんなにむくれっつらなんだ??

「ハル?どうした?」

「…アクセサリー」

「??どうした?声が小さくて聞こえないよ」

「ルーナさんからアクセサリー貰って身につけた…」

なんかめちゃくちゃ不機嫌じゃないか…。

腕輪のことか?

「??ハルも欲しかったのか??でもハルの力は封印する必要ないものだしな」

「…ちーがーうー!」

「え?違うのか??」

「…ハル様。こちらで二人でお話させて頂けませんか?」

と、ルーナさん。

なんだよ?俺除け者か。

ハルは何に怒ってるんだ?

と2人が部屋の隅の方へ行き話し始める。

なんかこっちチラチラ見てるな。

なんかこっち見て笑ってないか?

と思ったらなんか暗い雰囲気になってないか?

あ、またこっち見てる。

なんだよ。なんなんだよ?

そのまま30分ほど放置されたのだった…。

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