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第108話

작가: 星柚子
「京市だよ!ここ二日くらい出張で京市に来てて、さっきしゃぶしゃぶの店で見かけたんだ。奥さんは綺麗な女と一緒にいた」

綺麗な女?

北斗の口元がわずかに上がり、機嫌が少し良くなった。

「北斗、前に聞いたんだけど……お前ら別れたって、本当なのか?さっき本人に言われたんだよ、『人違いです』って」

「別れてない。くだらない噂を信じるな」

そう言い捨てると、北斗はみかんの皮をゴミ箱に放り、躊躇なく電話を切った。

そして、剥き終えたみかんを水紀へ差し出した。

だが彼女は受け取らず、ただじっと北斗を見つめ、皮肉な声音で言った。「へぇ、水戸さんは京市に行ったのね?じゃあちょうどいいじゃない。数日後にあなたも京市へ行くんでしょう?会えばいいじゃない」

そして、わざとらしく「あっ」と声を上げた。「そうだわ、前にも言ったでしょ。水戸さんはきっと京市にいるあの『天才画家』のところへ行ったって。なのにあなた、全然信じてくれなかったじゃない」

北斗のみかんを持つ手に血管が浮き、柑橘の香りが指先に弾けた。

彼はもう食べられなくなったみかんをそのままゴミ箱に捨て、ティッシュを取り出し、落ち着いた仕草
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