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第150話

Auteur: 星柚子
北斗の心の中では、当然逸斗を見下していた。

たとえ逸斗が四大財閥のひとつ――秦家の出だとしても、所詮は一日中遊び歩く放蕩息子にすぎない。

将来、秦家の後継者になるのは間違いなく逸斗の兄か姉だ。

逸斗など、適当に遊んで一生を終えるのが関の山だろう。

――心の中ではそう思っていても、表に出すわけにはいかない。

だから北斗は表面だけ笑みを作った。「秦さん、考えすぎです。ただ……俺には、ぜひお兄さんとお話ししたい重要なことがありまして」

「重要なことなら、俺でも聞けるだろ」

そう言って、逸斗は薄く、どこか不気味な笑みを浮かべた。

「というか、伊集院社長が言わなくても……俺、もう察してるけどな」

北斗の眉が鋭く寄った。

「まさかだったよ。過去五年間、水戸家のお嬢様が伊集院社長の彼女だったなんてな」

昔、逸斗が水紀と遊んでいた頃、水紀が愚痴をこぼしたことがある。「北斗には彼女がいる」と。

その時はただの笑い話として聞き流した。まして、相手が誰かなど興味もなかった。

だが昨日、兄が「北斗が秦家を訪ねてくる」と言ったため、少し調べさせてみた。

――結果は予想以上だった。

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