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第236話

Author: 星柚子
そう言い終えると、奈穂は正修のほうを振り返った。

正修を見る彼女の眼差しは、驚くほど柔らかく、優しさに満ちている。だが、再び北斗へ視線を向けた瞬間、その瞳は一転して氷のように冷え切った。

北斗が口を開くより先に、彼女はもう一度、はっきりと言い放った。「もう分かっているとは思うけど、念のため、はっきり言っておくわ。今、私の隣に立っているのは、私の婚約者であり、私が心から愛している人よ。これ以上、私の前に現れて、そんな滑稽な姿を晒さないで。私も、私の婚約者も、あなたの顔なんて見たくないの」

そう言ってから、奈穂は正修の腕を軽く揺らし、去る合図を送った。

二人が背を向ける直前、正修の視線が、北斗の上を静かに、しかし鋭くなぞった。

その目には、冷淡さだけでなく、露骨な蔑みと憎悪が宿っている。

「伊集院。どうやら今の君は、まだ十分に追い詰められていないらしいな」

その一言で、北斗の頭皮がぞわりと痺れた。

「奈穂!もう一度だけ、チャンスをくれ!」

北斗は声を振り絞って叫び、追いすがろうとした。だが、ボディガードたちが再び一斉に前へ出て、北斗の行く手を完全に塞いだ。

ほとんど崩壊
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