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第641話

Auteur: 星柚子
九条家の遠縁にすぎず、九条家に頼って裕福な暮らしをしてきただけの身分だというのに、自分の婚約者に向かってあんな言葉を口にするとは。たとえ奈穂が怒らなかったとしても、正修には到底我慢できなかった。

もっとも今は、胸の内の怒りを表には出さず、ただ手を伸ばして奈穂の頭を軽く撫でた。「うん。じゃあこれからは、彼女とは距離を置こう」

「奈穂、正修、本当にごめんなさいね」雅香は両手をこすり合わせ、少し気まずそうに、そして申し訳なさそうに言った。「今日はせっかく食事に来てもらう約束だったのに、恵子に台無しにされちゃって。あの人が来たとき、最初からきっぱり帰らせればよかったわ」

まさか恵子の思考がここまでおかしくなっているとは、誰が想像できただろう。

雅香はため息をついた。これは正修が初めて奈穂を連れて家に来た日だった。本来なら和やかで楽しい顔合わせになるはずが、すべて恵子に壊されてしまったのだ。

思えば思うほど、雅香の胸は重くなる。

「伯母様、そんなふうにおっしゃらないでください」奈穂は慌てて言った。「伯母様のせいじゃありませんから」

雅香は気持ちを立て直し、笑顔を作った。「もういいわ
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