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第825話

作者: おやき
「文雄、あなた……!」

「悠の親権を奪い返そうなんて思ってない」

寧々は唇を噛み締めた。今の文雄が何を考えているのか、彼女には全く分からなかった。

「悠は俺の娘だ。俺はただ、たまにこうしてあの子のそばにいさせてほしいだけだ。これくらいの願いすら、度が過ぎていると言うのか?」

寧々はズキズキと痛むこめかみを揉んだ。今の彼女には、文雄と言い争う気力は残っていなかった。

「もう帰って。私は休むから」

寧々はそう言い残して寝室へ向かおうとした。

「お前が光博と結婚したこと……それは間違いなく、お前の人生における最大の過ちになるぞ!」

「それが正解でも間違いでも、あなたには関係ないわ」

「寧々、光博は絶対にお前の愛に値する男じゃない!今回の事件で、お前もようやくその事実を思い知ったはずだ!」

今回の事件?

寧々は振り返って文雄を見た。彼、光博が逮捕されたことを知っているの?

今夜起きたばかりの出来事なのに、どうして彼が知っているの?

「雲上市で起こる大小の事件は、俺が知りたいと思えば誰よりも早く情報が入ってくる。特に今回、光博が手を出したのは裏社会組織のボスだ。そしてそ
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