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第68話

Auteur: 小粒キャンディ
しかし、今日の食事の種類が豊富なのは、一花がいるからでもある。相手の好みが分からないから、とりあえず何でも少しずつ用意したのだ。

柊馬は何も言わず、ただコーヒーを一口飲んだ。

一花はスプーンでチョコレート味のムースケーキを一口サイズすくい、そのまま柊馬の方へ差し出した。「これ、美味しいですよ」

柊馬は一瞬、眉間に皺が寄りそうになった。

彼の微妙な表情に気づき、一花はようやく我に返った。

「すみません……頭がまだ本当にぼんやりしてました。私が使ったスプーンを差し出すなんて……」

一花が手を引こうとした瞬間、スプーンはもう受け取られていた。

すると、柊馬は本当にその一口食べた。

甘ったるい味が喉を通り、柊馬も夢から覚めたように、驚いた表情を浮かべた。

「社長!」

湊もこの光景を見て、非常に緊張した。

柊馬は潔癖症だから、一花の使ったスプーンを使うことだけでもありえないことだった。

ましてやケーキを食べるなど……

柊馬が一番嫌いなのが甘いものだということは、周りに知られている事実だった。

どんなパーティーや接待でも、彼がいる席には、甘い匂いがするものは絶対に置かれ
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