تسجيل الدخول夕方の静寂…、俺と飯田はいつも通りの帰り道だった。
辺りは少し夕焼けに染まっている。
「なんか、思ったより代わり映えしないメンツだったよな〜。ほとんどクラス変わってねえや。」
飯田がつまらなさそうに頭を抱えて見上げる。
確かに飯田の言う通りだった。
クラスのメンツは多少は変化するものの70%あたりはほとんど同じメンツだった。
「そういえばネットで見たことあるんだけど法則があるみたいだぜ?」
「法則?なんだぁそら?」
「例えば…まずは学力の平均をどのクラスも同じようにしてある。そしてスポーツができたりピアノができる子も分けてあるみたいだぜ?」
「学力はわかるが…ピアノは意味がわからない。」
「思い出してみろよ、音楽会みたいなやつがあったと思うけどピアノ弾けるやつがいないクラスなんてあったか?」
飯田は鋭い目になる。
「…そういえばねえな。まじ?そういうこと?」
「そういう事だ、最後に同じ部活で纏まったり、双子とか仲良すぎる人とかぼっちの人も偏らないようにバランス調整するらしいよ。」
「まじかよ!すげーな、直輝!そんなこと知ってるのお前くらいだよ!」
でも気になることがある。
俺…ぼっちで人付き合いうまくいってないからそういう枠で決められてるとかそういう節がないだろうかと話してて不安になった。
「そういえば直輝は明日は暇?」
「まあ、暇だけどさ。」
「そしたら下北沢いこうぜ!」
唐突なお誘いである。
普段あまり誘ってこないので俺は面と食らっていた。
「えー、お前ホモだし嫌だな。野獣邸とかで掘られそう。」
「やらねえよ、確かに屋上で焼いていきたいような気持ちもあるんだけど、じゃなくてサー!古着見に行きたいんだよ!」
あ、そういうことね。
飯田はスケベでホモなのだが、決して俺と同じ陰キャな訳では無い。
古着が好きでスポーツが好きで、音楽もラップが好きだったりと陽キャの中心にいるような性格をしているのだ。
本人はモテないと言っているが実は影でファンがいるのも知っているから、俺とつるんでるのがいつも不思議で仕方がなかった。
まあ、予定がある訳でもないのでそれくらいは付き合ってやろう。
「わかったよ。じゃあ明日下北沢駅に集合ね!気をつけて帰れよ〜。」
そうして、俺と悪友は別れて自宅に戻る事にした。
☆☆
「ただいまー!」
「おかえりー。」
リビングから声が聞こえる。
聞き慣れた声ではあるが不思議と自身の精神に安堵を与える。
きっと本能で母親の声を聞くと安堵するようになっているのだろう。
家に入ると母親が眼鏡をかけてリビングのテーブルで何やら読み書きをしていた。
「なにしてんの?」
「ファイナンシャルプランナーの資格よ。」
「なにそれ?怪しげな資格?」
母親はそれを聞いてうわはは、と高らかに笑った。
「何言ってんのよ!ちゃんとした資格よー!」
「なんで大人なのに勉強してんの?」
俺には理解ができない、だって学生の身からすると勉強なんて時間の無駄だと思う。
ひたすらに将来使わなさそうな知識を聞かされて、学生というのは非常に空虚な時間だと思っていた。
母親は中卒の癖に読書や知識がかなり好きなのである。
見た目は派手だしとても勉強しそうにないのだが、こうしてスキマ時間に努力をしているのだ。
だが、その行動は勉強が嫌いな俺にとっては理解し難いものであったため、ちょっとした嫌悪感に近いものを感じた。
「そうね…、母さんも昔は勉強嫌いだったなー。」
「嫌いだったんだ。」
「でもね〜大人になるともっと勉強しなきゃだなって事が沢山あって、母さん頑張って通信の学校にお金を払って高校卒業の資格取れたのよ!その時嬉しくてね、学生辞めたら勉強なんてしないと思ったけど…勉強をしない日から人って老いていくもんなのよ!」
ちょっと母親がすごいと思った。
仕事もしながら家事もこなして、それでいてこうして自己投資もきちんと行っているのだ。
でも、何かムカつく感情もあった。きっと思春期という人格形成やアイデンティティを固める時期に何も無い自分と何かを持っている母親…その対比が自分を惨めにさせるんだともおもった。
それに、俺にはいじめられてから目標なんて無いから母親の存在は眩しかった。
「ねえ、その資格は仕事に使えるの?」
「んー、あまり使えないかもね。」
「なんで使えないのに勉強するの?」
「んー、仕事では使えないかもだけど…年金とか税金とか知っとくだけでも家系に役に立つものが多いのよ。
それに総務の仕事でも社会保険とかそういうのでも使うから部分的には役に立つのよ。」
「ごめん、ちょっと何言ってるか分からない。」
「だよねー、でも直輝は好きなことやればいいのよ!気になる事とか!」
そういえば、母親はパートの仕事を転々としていた。
最初はスーパーの店員を幼少の頃にやっていた。
その後はコールセンターとかやってたっけ?
今は確か商社のホワイトカラーの仕事で事務や経理の仕事をしている。どうやら様々な資格をとったのでキャリアアップもして定時に帰れてるのが両立の秘訣なのか。
「さて、ひとまず勉強も終わったし、晩御飯にしましょ!」
「今日は何?」
「今日は手軽に豚バラレタスの塩バター鍋よ!」
「なにそれ、超美味そうじゃん。」
俺と母親は晩御飯を終えたあとは、俺はプレイステーションを開いて相変わらず好きなゲームに没頭し、眠る頃には時計は丑三つ時を刻もうとしていたので俺は寝床に着くことになり、気がついたら俺の意識は彼方へと消えていった。
白銀の世界は少しずつ見慣れた景色に変わっていく。長野県の北から諏訪をすすんで、そして山梨へと進む。俺が目を覚ました頃には、八王子まで来ていた。「結構……寝ていた。」みんなも長時間の運転で疲れたのかぐっすり眠っていた。俺はそれに合わせて大きく伸びをする。母ちゃんは……無言だった。俺は後ろの席だったので無理に母ちゃんに話しかけることが難しかったので、少しだけ振り返ることにした。この2日間、初めての体験だらけですげー疲れたけどとても素敵だった。生まれて初めてスキーをして、自然の美しさと厳しさを同時に味わった。そして、その自然と共存をする人々の逞しさとかにも触れた。それだけでも、俺の心は満たされた気がする。俺はポケットにあったコーヒーを飲む。既に冷めていて少しだけ生ぬるくなっているけど、少しだけ頭がスッキリした気がした。そして、スッキリした頭で胸の内にある不安について考える。俺は今は偏差値は63がいい所だ。医学部最低ラインの68にまだギリギリ届いていない。龍にはとにかく沢山勉強に触れさせてもらって、あとは何度も時間をかけて間違えての反復だと教えて貰っていた。少し、無謀な挑戦にも思えるけど確実に歩んできてるんだ。もう逃げない、俺は……この2日でとにかくやってみる事の大切さを学んだのだ。その他にも、人に貢献する尊さを久しぶりに感じた。全然医者っぽいことはできてないけど、俺はやっぱり医者になりたいのだ。そう思うと、俺は車の中で静かに決心を固めていくのだった。この高速道路を真っ直ぐに突き進むハイエースのように、もう曲がることなく真っ直ぐに。☆☆「じゃあ……直輝くん、お疲れ様!」「ああ……また連絡するから。」「うん!また忘れたら監視するからね♡」そういって、舞衣はウィンクをする。本当にやりかねないんだよな。「わかった!ちょっと気をつけるから!」「うそうそ!龍くんから勉強の進捗は聞いてるから……たまにでいいからね!」「そ……そうか……気をつけて帰ってなー!」そう言って、舞衣やみんなとちょうどいい位置にあったコンビニでお別れをする。そして、母ちゃんと2人きりになって、ハイエースを返しにレンタカーショップへと進むのだった。「母ちゃん、疲れてない?」「んー、ちょっと疲れたかな〜。」「え、ちょっと!?」さすが母ちゃん…
「なんじゃこりゃー!!」朝起きると、それはもう真っ白で白銀の世界が広がっていた。あまりにも白すぎて……道が無くなってるほどに。ハイエースも雪が積もり完全に運転できない状態になっていた。「……母ちゃん。どうする?」「え、私に聞く?」俺も母ちゃんも辺りの自然の厳しさに完全に思考がフリーズしていた。「すみませんねぇ……、道が使えるまではお待ちいただければと。」女将さんも深々と謝罪をする。昨日は夜まで吹雪だったけどここまでとは想像はつかなかった。当たりを見ると周辺の地域の人達も立ち往生している。待つのもいいけど、俺は別の気持ちが勝っていた。「母ちゃん、雪かき手伝おう。」「ええ!?」「そうすれば帰れるのも少し早くなるし、俺はこの街の力になりたい。」俺がそう伝えると母ちゃんは妙に複雑な表情をしたあと、深く頷いて俺の目を見た。「さすが私の子ね!わかったわ、私もやる!」「母ちゃん……サンキュー!」俺は女将さんにお願いをして雪かきの道具と防寒着を借りて雪をかく。周辺の雪を指定の場所に集めるのだが、少し運んだだけで普段使わない筋肉を酷使して息が上がっていた。「これ……結構疲れるな。」「ねー!まだこんだけしか運べてないのに。」雪かきとは本当に地味な作業だった。この地域の雪は柔らかい雪なのだけど、塵も積もれば山となるとはよくいったもので重なった雪は驚く程重かった。完全にボランティアもいいところだったけど、俺はこの初めての気持ちがとても好きだった。「直輝、本当に変わったね。」「あ?何だ急に……よいしょっと!」「去年の直輝なら……絶対こんなことしようと……思わなかったのに……えい!!」作業をしながらそんな会話をする。身体は暑くなり、でも手足だけは冷えてる不思議な感覚だった。「かもな、でも色々あって人の役に立ちたいと思ったんだ。」「いいよ、私はそれを応援するから。」そう言って雪かきをどんどん進める。ハイエースの周りだけでなく、宿の敷地や道路の雪もかいていく。少しずつこの目に見える作業感に快感を感じてるのと、これが社会に貢献する気持ちだと思うと少しだけ胸を晴れるような気がした。昔の自分は自分のことで精一杯なのに、今は少しだけ違う。だからこそ母ちゃんは変わったと言ったのかもしれない。雪をかくこと1時間……まだまだ先は見えない
「お待たせー!」勉強を終えると母ちゃん達が浴衣に着替えて戻ってきた。「おおー!なんていい光景なんだ……!」「飯田、おまえは節操がないな。」全く、こういう時にも困ったやつだ。俺は静かにため息をしてお茶を飲む。「直輝くん!私の浴衣どう?」特に舞衣が髪をかきあげたポーズで俺にアピールをしていたけど、物理演算の数式で脳みそを圧迫してる俺に反応する元気はなかった。「……どうって。」「な!?こーんなに可愛い彼女が浴衣着てるんだよ!?ノーリアクションはさすがに傷つくよ。」「そだぞ、なおっち……こういう時は似合ってるとか言ってあげるんだぞ?そういう社交辞令なんだ。」「そっか、ありがとう龍!舞衣、似合ってる……ぶほっ!?」「バカーー!言われてから褒める奴がいるかー!」そう言って舞衣にビンタされて少しだけ体が後ろに飛ばされる。ひどい!親父にもぶたれたことないのに!「今のはなおっちが悪いな。」「龍ー!分かって振ったろ!」「メンゴメンゴ、いま物理演算で脳が埋まってるんだ。」「それはこっちも同じじゃあ!」龍と取っ組み合いになるけどあっさり負けてしまう。俺の方が若干背も体重も上なのにこのフィジカルはどこから来てるんだろう。落ち着くと、少し俯いた舞衣がやはり浴衣の感想を欲しいのかモジモジしていた。「……すまん、ちゃんと見れなくて。黒髪と相まって綺麗だよ。」「分かればよろしい。」そう言って満更でもない笑顔でふんすと鼻息を鳴らしていた。まあ、こういう愛嬌も俺としては好きなんだけどね。「じゃあ、そろそろご飯にする?」「だな、母ちゃん!俺らは飯食ったら風呂入るわ。」「了解!そしたら行こっか!」俺たちは宿の食事をとる。典型的な和食で米や魚の煮付け、野菜の漬物など質素ながら美味な味わいだった。米は硬めに炊きあげていて、味が甘い。味噌汁だって出汁が効いていて、味噌の香りが市販のものとは比べ物にならないほど強かった。それだけでこの宿の料理に対する質が明らかに違った。「お!サーモンだ!って……なんか塩っ気が足りない。」瑞希はサーモンの刺身が好物なのか真っ先に手を出していたけど少しだけ不思議な顔をしていた。「チビナス知らんのか?これ信州サーモンって言うらしいぞ。」そんな瑞希に龍が話しかける。「チビじゃねえし!山なのにサーモンとか訳分からん
「おつかれー!」「か……母ちゃん。これから運転だけど大丈夫なん?」「大丈夫だよ!ほら……板貰うね!」俺たちは滑り終えて駐車場へとたどり着いた。体は火照っていてそんなに寒くは無いがやはり慣れないスキーブーツや激しい運動で俺は体がボロボロだった。ちなみに母ちゃん以外の女性陣はみんな控え室で着替えていた。吹雪は止んで夕焼けで雪景色が赤く染め上げて絶景の一言だった。「直輝くん!お待たせー!」「舞衣、忘れ物はないか〜?」「大丈夫!」「よし……全員揃ったみたいだしそろそろ行くか!」母ちゃんはサイドブレーキを外しハイエースを動かす。少し車が滑って怖かったけど、何とか俺たちは戻ることができたのだった。しばらくすると、レトロで和風なかんじの宿に到着する。宿に入ると畳張りの部屋へと到着した。「ふーっ、なんかめっちゃ疲れたな。」「だな、なおっちママずっとぶっ通しで滑ってたよな。」「それでさ…龍疲れてるとこ悪いんだけど。」「あ?なんだよ。」俺はスキーで頭がスッキリしたけどどうにも気分は落ち着いてなかった。「勉強……教えてくれないか?」正直疲れてるのはわかる。でも、俺がゆっくりしてるこの時間の間にもライバルの受験生は勉強しているのだ。むしろ、脳の緊張がほぐれた今だからこそ良い勉強ができる気がしたのだ。「ったく……。いいぜ、今日の俺は厳しいぞ。」「サンキュー!」俺たちはちゃぶ台に座り苦手な数学と英語だけに絞って勉強を教わっていた。そんなに教材は持ってないので復習だけでもやろうと思ったのだ。「んじゃあ!ビシバシやるか!着いてこいよ、なおっち!」「おう!」こうして男性陣は少しの時間を勉強に励むのだった。☆☆一方こちらは女性陣。私こと天野遥香はみんなで温泉に入ることにした。湯気が立ち込み小さいながら少し硫黄を感じる泉質で私は完全に蕩けきっていた。「はぁ〜ほんと極楽〜。」「ですね……。」彩奈ちゃんも湯船に浸かって冷えたからだをじっくりと温めていた。「うむむ……。」すると、瑞希ちゃんが私の身体をじっくりと見て眉間に皺を寄せていた。あれ、なんかあったのかしら?「どうしたの?」「な…なな、なんでもないです!」「瑞希……めっちゃ遥香さんの胸見てたわね。」「何を言うんだよ、彩奈!見てないし!羨ましいとか思ってる訳じゃないか
「いっただっきまーす!」「「い……頂きます。」」直輝たちと別れた私は、龍くんと飯田くんと3人でご飯を食べていた。食堂は相変わらず外国人で溢れかえっていて文明が入り交じる席取りが行われていて、少しだけ窮屈に感じる。そして、明らかに2人とも疲れきって表情が青白くなっていた。「2人とも大丈夫?」「なんとか……あれ、遥香さんって運動とかするんでしたっけ?」「んー、たまにジョギングくらいかな。」「マジかよ。」「なおっちママすげぇな、俺も体力には自信あったけど敗北っすよ。」「ちょっと!?ふ……複雑だな〜、私32で体力衰えてきてるんだけど。」そう言って、私はラーメンをすする。こういう時のラーメンの塩っけが身体に染み渡るようだった。「しっかし、なおっちも遥香さんみたいに体力あればもう少し勉強に打ち込めるんですけどね。そこは遺伝しなかったのか。」「まあ……あの子は運動ほとんどやらないし、中学の頃は不登校だったからね。あとは……体力はあの人に似たのかもしれない。」「あの人って……。」「うん、あの子の父親。」ふと、彼の父親に当たる工藤直人くんが脳裏を過ぎる。彼はいつも本ばかり読んでいた。「聞いていいのかわかんないっすけど、なおっちの父親に当たる人は今何してるんすか?」「俺もいつもきいていいのかわかんなかったですけど、ちょっと気になります。」「んーーーーーー。」私は少しだけ息を整える。あの頃のことを思い出すと今でも少し苦しくなるからだ。でも、彼らは直輝のかけがえのない親友だ。きっと大人になっても直輝とは気の置けない存在になるかもしれない。私は孤独の中走ったけど、直輝には誰かに支えてもらいながら踏ん張って欲しかった。「南海トラフの時に……私を庇って津波に飲み込まれて、それっきり。」「「……………。」」ちょっと令和には重すぎたかな。いつもはユーモアのある2人が珍しく黙ってしまった。「あ!気にしないで!もう昔の事だし、今はこうして乗り越えて幸せだったから!」すると龍くんがコーヒーを啜っては少し考えていた。「なんか、なおっちママすげぇなって思いました。直輝を身ごもってた時にそんな経験して……そっから単身で東京に来ての今なんすね。」龍くんは頭の回転が早かった。1話しただけなのに10まで理解してしまったようだった。「え、流石に親族
「ふー……マジで疲れた。」俺はテーブルに腰掛けて上着を脱ぐ。寒いけど、身体が死ぬほど発汗していたので俺はキンキンに冷えたお茶をがぶ飲みしていた。「あはは!直輝くんすごい飲むじゃん、無意識に疲れてたんだね!」そう言って彩奈がラーメンを持ってこちらに来る。どうやらチャーシューが何枚も乗っていて美味しそうだった。ぶっちゃけ、家系とか凝ったラーメンも好きだけどこういうあっさりしたラーメンも大好きだ。ちなみに俺はカツカレーにした。疲れた時のカレーって本当にベタだと思うけどすごく元気が出る気がする。「あ、いたいた!」「瑞希!こっちだー!」俺らを発見したのか舞衣と瑞希も座っていた。瑞希はプリンのみで、舞衣はステーキを持っていた。「え、舞衣まだ食うの?」「えへへ〜、滑ったらカロリーほとんど消化できちゃったみたい!」そう言って彼女はステーキを捕食する。その様子からモンハンというゲームに出るイビルジョーというモンスターを想像してしまった。あのモンスターも高い体温を常にキープするためにいつもお腹すいてはなんでも食べちゃうんだよね。「……直輝くん、なんか失礼なこと考えてない?」「い……いえ滅相もございません。」「「なぜに敬語?」」あまりの挙動不審さに彩奈と瑞希にも突っ込まれてしまった。「それにしても、みんなスキー上手いんだな。なんというか俺だけ足引っ張って申し訳ないよ。」そう言うと3人は笑った。「いやいや!私ずっと直輝くんの動き見てたけど上手になったよ!別に無理に合わせようとしなくて自分なりに楽しめばいいと思うよ!」そう言って彩奈がフォローしてくれた。「むしろ、初日でここまで滑れてるのすごいよ。」「そうなのか?瑞希。」「私は親になんでも経験しろと毎年スキー教室に通わされてもう10年毎年滑ってるけど……最初は木にぶつかったりしてたもん!」……ちょっと想像しやすいな。ふぎゃっ!って悲鳴上げてそう。瑞希なりに元気づけてくれてる感じがして嬉しかった。「まあでも……私はこうして直輝くんと遊ぶのが楽しいかも。今日は誘ってくれてありがとうね。」「舞衣……。」ステーキを食べながらも俺の目を見て喋ってくれてる彼女はまさにヒロインだった。でも、少しだけ引っかかっていた。「あれ?俺そういえば舞衣誘ってたっけ?」顔面を鷲掴みにされる。その







