Home / 青春 / 僕のお母さんは△▽女優 / 僕のお母さんはAV女優 2話

Share

僕のお母さんはAV女優 2話

last update publish date: 2026-08-02 09:53:43

桜並木の並ぶ校門。

その辺には見知った同級生や上級生、初めて顔を見せる新入生が混沌を表現するかのように散りばめられていた。

「うわぁ。」

「人多すぎぃ!」

「黙れ野獣先輩。」

俺は人が多いことに対しては嫌悪感をいだいているが、飯田は普段から外に出ては古着などを下北沢に見に行くことが多いのでそこまで感じてはいなさそうだった。

俺たちはそんな人混みをくぐり抜けて、自身の教室を探す。

えーっと、俺は2-3だからどうやら3階のクラスのようだった。

もちろん飯田も同じクラスで2-3である。

「しかしまあ……これも縁だよな。

同じクラスになる予感しかしなかったよ。」

「当たり前だよなぁ。今年は可愛いこと一緒がいいなぁ。」

相変わらず飯田は頭の中はピンクかホモビデオの事しか頭にない。これでも水泳は県大会に出ていたりと実はモテてるのだが、サシになると本性を現してドン引きされるタイプなので本当にもったいないと思う。

「あれ、そういや直輝は部活やってたっけ?」

「ああ、母親に野球部入れられたけどちょっとね……。」

「なるほどな、まあ合う合わないがあるから気にすんな。」

飯田はみなまで言わなくてもすぐに理解をしてしまう。そう、俺は母親から集団生活で市場価値の高い野球をするように言われて部活に入ったのだけれど正直野球はあまり好きじゃなかったのと周りに合わせることが出来ず、幽霊部員になっていた。

そういうのもあってか母ちゃんと顔を合わせるのも気まずい時があるのだ。

だから俺は部活に行くフリをしては教室でダラダラソシャゲをして時間を潰すのが日課なのだ。

「ついたぞ。ここが俺らのクラスみたいだ。」

他愛もない話をしてる間に俺たちはクラスに着いていた。

コンクリートの学校の角部屋に位置する教室で、光がよく当たりそうな教室だった。

とりあえず俺は自分の席に座る事にした。

特にやることも無いので早速Xで適当にポストをチェックをする。

「おはよー天野くん。」

すると、隣の席から声が聞こえる。

ああ、知ってる声だな。

「佐倉さん、君も同じクラスだったんだね。」

「うん!今年もよろしくね!」

この子は佐倉舞衣さん。

小柄な身長と目を奪われるような綺麗な黒髪のセミロングが特徴的な子である。

前に同じクラスになっていて、学級委員をやらされていたので少し繋がりがある程度のクラスメイトだった。これでも彼女は看護士希望で成績もそこそこいいのだが、サブカルなどの趣味が多いのでスペックよりも個性が勝っている。例えば化粧が少し濃いめだったり、耳のピアスの穴の数も異様に多かったりする。今日は付けてないのだがたまに舌ピアスをつけている日もあるくらいだった。

「今日も天野くんは眠そうだね。」

「ああ、わかる?」

「うん!クマだらけだもん。」

「そういう佐倉さんこそ、コンシーラーで誤魔化してるけどクマみえるよ。夜更かししてたのかい?」

「あちゃー、やっぱ天野くんには分かるか……実は昨日趣味のスプラッタをみててね!それはもう血が……。」

「すまん、その話はまたゆっくり聞かせてくれ。」

「えー!なんでよー、もう!」

彼女は個性が多いと前述したが、このようにグロテスクなものがとても好きなのである。

たまに話をするのだがグロすぎて途中意識がフラフラするのでヤバそうなら止めるようにしていた。

そのせいか、彼女は友達がほとんど居ないため俺は数少ない彼女の話し相手になっていた。

「みんなー!席に着けー、これから出席を取るぞー!」

「はーい!」

先生が教壇に立ち、黒いのをもって出席をとりはじめる。

先生は生活指導も兼任している諏訪先生だった。

短髪で肌が若干浅ぐろいのだが、目は温厚な50代の男性だった。

確か趣味でトライアスロンをしていると噂されている。

走って……泳いで……チャリを漕ぐのだがただやるだけではなくて、きちんとそれぞれの科目でスピードの設定をされているとの事で、彼は朝4時に起きてはランニングをしているクレイジーだった。

そんなこんな先生の事を思い出してると、出席が終わろうとしていた。

「さて、出席を終えるけど……この中から学級委員を2人ほど決めなきゃ行けない。誰かやりたい人はいるかな?」

…………。

みんなは目を逸らす。

そりゃあみんな部活やらバイトやらでやりたくは無いもんな。

俺も去年はそんな感じで前の先生にもこき使われてたっけな〜。

「まあ、やりたい人はいないよな。でも大丈夫だよ、だって去年実績のある天野にしようと思ってるからな。」

「おおおおい、先生!ちょっとそれは聞き捨てならないぞ!」

待て待て、温厚さで軽く尊敬はしていたけどそんなバッサリ決めてるの?怖いよこの先生!

「大丈夫だよ、天野と佐倉は仕事が早いって先生たちの間では評判でな!若い間にそういう経験をすると将来いい財産になるから……頼めるかな?」

先生は低い声であははと笑う。

この先生は正直言われて嫌な思いをしない言い回しをするのがとても上手い。経験なのかそれとも天性なのかわからないけれど、正直手の内で転がされてるような感じもしなくもなかった。

「だってさ……、どうするよ佐倉。」

「いいわよ。私も内申点欲しいもの。」

「決まりだな!じゃあ頑張り屋な若者にみんな拍手!」

ぱちぱち……と乾いた拍手をするみんな。

いや、そんなことで拍手はしないだろう。

とにかく去年同様に学級委員の仕事をすることになってしまった。

☆☆

キーンコーンカーンコーン。

学校のチャイムが鳴りだす。

一通り科目のガイダンスを終えると、時刻はもう昼休みだった。

今日はどうするか……一人で食べようかな。

「おーい、直輝!飯食おうぜー!」

そんなことを思う前に、飯田が声をかけてくる。

「いいよ、屋上にするか。」

「りょーかい!」

すると、佐倉さんも声をかける。

「私も一緒に食べていいかな?」

「いいけど……珍しいね。」

「なんというか……、今年は便所飯卒業しようと思ってね。」

「あ、色々察した。」

そういえば佐倉さんは昼飯の時は便所飯に行ってたんだった。

彼女は見た目が可愛いのと強すぎる個性ゆえに本当に女子の間では浮いている。

「飯食ってる時にグロい話をするなよ〜!」

「しないよ、ね!お願いします!」

「大丈夫だよ、じゃあ行こっか!」

ちなみに飯田も佐倉さんの本性を知る数少ない人物である。それ故に性的興奮も彼女に対して起こることも無かった。

3人で屋上に行くと、晴れ渡るそらと木のベンチがいくつもあった。春風が暖かく心地よい。

3人は弁当を食べ出す。

俺は母親の作ったハンバーグ弁当、飯田はカレー味のカップ麺、佐倉さんは……。

「え、佐倉さん蒙古タンメンにするの?」

真っ赤な蒙古タンメンをもっていた。

赤と黒のパッケージがより辛さを際立たせていた。

「わたし、いつも辛いもの大好きなんだ!辛くないと食べた気がしないのよ。」

俺と飯田は少し引くが、まあ佐倉さんだしという解釈であっさりと納得をする。

実際俺達も少し動きは止まったがあっさりと食事に入っていった。

「にしてもよー、佐倉ってホント独特だよな。俺こんなに個性強めの人あんまり見ねえよ。」

「ありがとう、よく言われるわ。」

「佐倉って休みの日何してるの?」

確かにそれは気になる。

飯田は若干空気が読めないところがあるが話を切り込んでくれるのはむしろ有難い。

「んー、スプラッタ映画見てるか地下アイドルの女の子のライブに行くか……バイトしてるわね。」

「バイト?佐倉働いてるのか!?」

「学級委員やりながらやってたんだねぇ。」

それにしてもなんのバイトをしてるんだろう。

パッと見アパレルとか飲食店かな〜、そういう人前に出る仕事は引っ張りだこだろう。

「これ誰にも言わないで欲しいんだけれど……メイド喫茶やってるの。」

「「メイド喫茶!?」」

飯田とハモってしまった。

いや、予想の斜め上を彼女は行く。

「……え、じゃああれか?もえもえきゅーん!っとかやるのか?」

「やるわよ。」

「おじさんたちの前でダンスとかも。」

「やるわよ。」

「配信とかXとかの広報も。」

「やるわよ。」

……なんというか、彼女がさらに遠い存在に感じてきた。若干食い気味の返答に彼女の覚悟を感じた。

Xでの彼女のアカウントを見つけると、なんとフォロワーが2.3万人と莫大な数になっていた。

いや、まあ確かに彼女は可愛いのだけれどここまで世間に反響を見せるものだったのか。通りで一つ一つの行動に個性があるわけだ。

「なんというか、すごい方だったんですね。」

「好きな方向で行くといいと思いますよ。」

「ちょっと〜!急に敬語やめてよ!私この学校だとボッチなんだから、さらに距離感じるからやめて〜!」

そんな感じで話してると、予鈴が鳴り響く。

俺たちの昼休みは終わりを告げるので、俺達は教室に戻ることにした。

Continue to read this book for free
Scan code to download App

Latest chapter

  • 僕のお母さんは△▽女優   うちのメイド長はヘビースモーカー 17話

    時刻は既に20時を超えていて、夜が更ける。蝉だけじゃなくて、鈴虫のような虫の声が聞こえてきて、ほんのりと涼しい夜風が仕事で温まった私たちの体をゆっくりと冷ましていった。まるで、少しづつ夏の終わりを示唆するかのように。「いや〜本当に楽しかったですね!」「そうね、最高の日だった。」正直、挑戦するのは怖かったし、朝なんかは眠気が強すぎて最高のスタートダッシュを切れたかと言うと嘘になる。それなのに、頑張って自分がやると決めたことを小さくやり切ったことに対する満足感は他のものに変え難い喜びがあった。まるで他の人に従うのではなく、自分で歩んだ先に道ができたかのように。「ことねさんの夢が少しずつ叶って良かったです!これからも沢山頼ってくださいね!」その言葉に少し固まってしまう。私は、与えられてばかりである。相談に乗って貰ったり、ご飯誘ってくれたり、サウナに一緒に行ったり、お店の計画を立ててくれたりと、事実を並べるだけでも沢山のことをしてくれた。彼女と接し始めたのは夏のはじまりだった。そんな夏も、もう少しで終わろうとしている。それなのに、私は彼女に与えられたものがあったのかと自問自答するが、何も思い浮かばない。「ねえ、舞衣ちゃんは……夢はあるの?」ふと、そう聞いてしまった。彼女はまだ17歳、これからたくさんのものに触れてくるかけがえのない大切な年頃とである。もし、夢があるのならこちらも助けてあげたい。舞衣ちゃんは少し考えると楽しそうに夢を語ってくれた。「私の夢は、辛い人を支えて行けるような看護師になる事です!」「看護師!想定外だったからびっくりしたわ。でもどうして?」「私が、沢山の嫌なことに打ちのめされてる時にある看護師さんに支えられてくれたんです。死にたくなっても背中を押してくれて、だからこそ私も看護師になってそんな人になりたいなって思ったんです!」……なんたる与える精神。まるで患者を愛するナイチンゲールが現世にいるようだった。彼女は生まれとってのGiver、人に尽くすことに喜びを感じる子だったのだ。全く、歳下とは思えないほどの成熟した精神に脱帽せざるを得なかった。「私に負けない、最高の夢ね。」「はい!あ、でもことねさんも私にたくさんのものをくれましたよ。」その言葉に私は混乱してしまう。そんなこと、ひとつも無いとおもっ

  • 僕のお母さんは△▽女優   うちのメイド長はヘビースモーカー16話

    ……オープンまであと5分を切っていた。私は舞衣ちゃんに背中を押され、緊張よりも絶対成功させたいという気持ちが強くなってきた。大丈夫、きっと上手くいく。上手くいかなくても、私は1歩を踏んだんだ。それだけでも100点、お客さんが来たら200点、喜んで貰えたら300点だ。そのスタンスにしよう。3....2.....1....。ピピッ!私の不定期のお店はスタートをした。店の前には誰もいない。「……お客さんいないわね。」「仕方ないですよ!告知も以前に比べたら少ないですし。」「そうね、始まったばかりだもの。気長に行きましょう。」「はい!」世の中は広告料というものに多大なお金をかけている。それをするだけでお客さんに知ってもらえるかが大きく左右されてしまう。あの大きなメイド喫茶も莫大な広告でお客さんを回収し、リピーターを作っていった。私の力の小ささを思い知るのだが、まあ予測の範囲だった。「ひとまず、掃除からはじめま______」「すみません!2人……行けますか?」突然、男性の声が聞こえた。「あ……。」振り向くと、小説家の笛吹さやかと同居人の高校生……飯田蓮くんが店の前に立っていた。「蓮くん!久しぶりじゃない!どうしたの?」「昨日、舞衣からお店スタートするからってきいて来ちゃいましたよ!」とても嬉しい。最初の客が知り合いというのもどこか温かみを感じる。「じゃあ、案内するわね。」「ええ!」「酒~!とりあえずウォッカとウイスキーを持ってこーい!」「笛吹さんはちょ~っと黙っててください!!」チリリン。「ご主人様の……ご帰宅です!」「おかえりなさいませ!ご主人様!」そう……この感覚だ。ここ数日失われてた感覚が蘇り、私に勇気と気力を与えてくれている。「蓮くん。今日は来てくれてありがとうね。これ……メニューよ。」「え、なんか……メイド喫茶なのに料理が本格的にパスタとかピザもあって……クオリティ高いっすね!?」「ワインなんかもある!トスカーナ?ってやつの白ワイン欲しい!」結局、私たちのメニューもあるのだけれど尾崎さんが店のメニューも使っていいと言ってくれたのだ。「じゃあ……オムライスとボンゴレ・ビアンコ、ピザはクアトロフォルマッジあたりでお願いします。」「あと、白ワインも!」「承知しました!お作りしますのでお待ちく

  • 僕のお母さんは△▽女優   うちのメイド長はヘビースモーカー15話

    私がメイドをやめて2週間が経ちそうだった。今日は、レンタルキッチンを使って私のお店が出されることになる。私は、メイド喫茶としてメニューをある程度簡易的なまでにオペレーション化した。SNSも「神宮寺ことね」というアカウントを作り、オープンを告知まではした。フォロワーは徐々に伸びて、3日で100人になったが……やはり広告としては弱いものになって言った。そんな準備が弱い中、当日を迎えることになった。朝、夏の暑さがこの時間だけ引いていて、小鳥のさえずりとともに程よい涼しさを感じる。ピンポーン……インターホンが鳴り響いた。誰が鳴らしたかは事前にわかっていた。「ことねさーん!おはようございます!」「(ガチャ)……おはよう。」私はうねる様な低い声で挨拶をする。「こ……ことねさん……!?体調不良ですか?」「なんか……ずっとドキドキしてて……寝れなかった。」「いや、遠足前の小学生ですか。」そうか、これがその楽しみという概念なのか。親に虐待され続けたから希望を抱くって概念がなかったので楽しみによる緊張も初めての経験だった。「でも……やる気は……ある……。」「説得力無いですよ~!ほら、顔洗ってください!」わたしは身体の気だるさを振り絞り、水シャワーを浴びて全身に気合を入れる。以前、舞衣ちゃんと水風呂に入ってからは実は習慣化していたりした。20分後に本来の私に戻る。メイクも準備してある、見慣れた「メイド人間」の私だった。「ごめん、かなり待たせたわ」「大丈夫です!調子も戻ってきたみたいですし……今日は頑張りましょ!」私たちは都内の某キッチンを借りることになったので、身支度を済ませてその場所へ向かうことにした。☆☆夏の炎天下がピークを迎える前に電車に揺られながら私たちはそのキッチンにたどり着くことになった。厨房とバーカウンターがある、綺麗なお店だった。「ここ……?」「はい!どうやら……今日は定休日みたいで定期的にこうやってレンタルサービスやってるみたいですよ。」「面白いわね、農業の二毛作みたいだわ。米が育たない冬に麦を植える感じ……。」「あはは!ことねさん……相変わらず面白いこと言いますね!」そんな雑談をしていると、一人白衣の男が中からでてきた。「こんにちは……予約していた佐倉さん?」「は、はい!佐倉です!」「オーナー

  • 僕のお母さんは△▽女優   うちのメイド長はヘビースモーカー 14話

    私がメイドを辞めるまでは、そう長く感じることはなかった。辞めるまでの記憶はほとんどない、とにかく忙しかったことだけが体が覚えてくれた。嬉しいこともあった。有給を取って会いに来てくれた人もいた。だけど——それでも、私はその場所を終わらせた。わたしは、結局のところ愛されていた。そんな……夢のような日々が終わった、終わらせてしまった。チュンチュン……朝は、不思議と小鳥のさえずりと朝日の陽光が目に入りパッと目を覚ましてしまう。今の私は……何者でもない人間だ。フォロワー1万人の人気メイド、ことねはものの数週間でこんなに人生が変わってしまうのかと驚いてしまう。まるで、さっきまでディズニーランドで夢のような体験をしてきたのに、数分歩くと見慣れた都会の喧騒に戻る絶望感に近いものを感じる。ちなみに私はメイド喫茶を辞めたあとは酷く体調を崩した。きっと、身体のエネルギーが行先を見失ったのと……大丈夫に見えて無理をしていたのかもしれない。クーラーなんて大層なものは無いので扇風機で誤魔化すのだが……どうにも苦しい。わたしはスマホを見る気力さえも失われていた。舞衣ちゃん、そしてさやかからはLINEの通知は来ているのだが、2日以上返していない。それだけ、私の心は疲弊して誰にも頼れないと言う状況になっていた。このまま誰にも気づかれず、消えていくんだろうか。すると、ピンポーンというインターホンの音が聞こえた。わたしはここ数日で気がついた。働いてる間はセールスとかの勧誘が家に来ていたことに。ちょっと出るのが怖くさえ感じる。わたしは、恐る恐る耳を立てた。「ことねさーん!舞衣です!」どうやら、違ったみたいだ。メイド喫茶のメイドで今でも連絡をとったり会ったりするのは舞衣ちゃんだけだった。「……こんにちは。」「ちょ!?ことねさん!まだパジャマじゃないですか!それに……顔色悪い?」「メイド喫茶を辞めてから、体調が優れないの。」「無理してたのかもしれないですね。スーパーで何か買ってきますよ。」「あ……あの……!」「はい?」「タバコ……セブンスター。」「それは未成年なので無理です。風邪薬買ってきますね!」体調悪いせいでタバコを買う元気はなかったのだが、頼る人がいると吸いたくなるもの。そして、体調を崩した私は未成年にタバコの購入をお願いしようとして

  • 僕のお母さんは△▽女優   うちのメイド長はヘビースモーカー 13話

    ある日のメイド喫茶の一日。私はお遊戯会(ダンス発表)が私中心に流れた。何度うたった曲、何百回踊ったか分からないダンス。完全に体の中の一部として動き出していて、無意識にテーブルを確認する。ことねのイメージカラーは、落ち着きのあるブルー。私のファンは私が踊る時に必ず青いペンライトを持っていく。この時は、ここにいる全員が青を掲げていた。踊りに激しさが増し、血脈が更に強さを増す。フィニッシュの時に、私を中心にポーズが象られ歓喜の声が響き渡った。「ことねちゃーん!君だけが推しだー!」「お前が1番!お前が1番!」ああ……こうして見ると私の普段の頑張りは無駄では無いと安堵してしまう。しかし、私には大切な発表がもうひとつあった。「みんなー!今日はお遊戯会に参加してくれてありがとうー!」すると、ぱちぱちと拍手が拡がる。今日も私は完璧だった。完璧にメイド喫茶のメイドを演じていた。私は……言わねばならない。ポーカーフェイスの中に大きく心臓が握られるような感覚があり、胃酸が逆流しそうだった。「突然ですが、大切なお知らせがあります。」ザワザワ……私は、盛り上がりがすごいのでちゃんと通るように少し無言になる……周りの焦燥から傾聴に変わるタイミングがある。1...2...3...4...5...ここだ!すこし、ざわつきが収まるタイミングで声を振り絞った。「私、メイド長ことねは……今月いっぱいで、メイドを卒業します!!」「「「えええええええーーーーー!?」」」辺りが驚愕の一色だった。さっきまで私のダンスに喜んでいた人達が絶望に近い表情だった。「なんでだよーーー!」「やめないでー!!ことねー!」私の辞めるのをショックで騒ぐ人、ポカンとする人、恐らくXを打ってる人がいる。私は、本当は辞めるべきではないのかもしれない。ここは本当に居心地がいい。しかし、その居心地に依存して私は変わるのを怠っていた。決断とは、決めるのも大事だけど断るという気持ちも大事だ。「10年……お勤めさせて頂きました。このような場に来てくれるご主人様、お嬢様が大好きでした。可愛い料理も好きだったし、何よりこの空間がすきでした。私の力だけではありません、皆さんが居たからこその結果です。」まだ、その発言の時もざわつきがある。一度、スピーチを止める。こういった発

  • 僕のお母さんは△▽女優   うちのメイド長はヘビースモーカー 12話

    チリリーン!「ご主人様のおかえりです!」「「お帰りなさいませ!ご主人様!」」今日もたくさんのご主人様(お客様)が来店される。精一杯の仕事をしよう。そして、ご主人様たちに喜んでもらおう。そんな、わたしの「メイド人間」としての一日が始まる。既に長蛇の列が並んでいた。「ことねさん!今日もお願いします!」「舞衣ちゃん、今日も期待してるわよ。頑張って。」仕事中は友人の私たちも上司と部下だ。会話は驚くほどドライになる。しかし、それもまた仕事に集中していることを指していて心地が良かった。とにかく、毎日小さく努力してみよう。それだけだった。そんな時、私はある声に耳を傾けてしまった。「ええー!ゆきちゃん、埼玉の子なんだ!」「そーなんですー!」「え、今度飲みとかどう?俺奢るよー。てか、その後カラオケでも行こーぜ!」「えー、最高!」「じゃあ、これLINEのIDね!」「ありがとうございます!今度の水曜とか空いてるんでぜひ。」……明らかにメイド喫茶というより、合コンのような会話である。そして、ホスト風の客からメモを貰った新人メイドのゆきちゃんはポケットに差し込んでいた。これは、明らかな規則違反である。そこそこ名前のあるメイド喫茶なのでイメージダウンにも繋がる行為だ。そういった指導は……ウケているのだろうか?「ゆきちゃん、ちょっといい?」「はい?」私は人目のつかない所で静かに指導をする様にしている。それは、基本的に仕事スタイルには寛容だが、メイドさんのプライドを傷つけないなどの工夫があった。「あの…さっきの会話を聞いてしまったんだけど、お客さんと個人的に会ってたりしてないよね?他のお客さんも少しひいてたわ。」「えー、ダメなんですか?カッコよかったじゃないですか。」「ダメよ、規則でも決まってる。最初のオリエンテーションで話す内容だったんだけど…分かりずらかったかな?」時折、理解が浅い子がいたりする。きっと指導不足なのだから我々の責任だ、分かっていないのなら教えるべきなのかもしれない。「あ、ダルいです。聞いてたけど半分寝てました。」「え?」「てか、ゆきさん今日は全然チェキ(写真撮影オプション)獲得できてないですよね。もしかして、若くてあなたより人気のある私に嫉妬してるんですか?」「いえ、そういうことじゃないの。そういう

More Chapters
Explore and read good novels for free
Free access to a vast number of good novels on GoodNovel app. Download the books you like and read anywhere & anytime.
Read books for free on the app
SCAN CODE TO READ ON APP
DMCA.com Protection Status