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僕のお母さんはAV女優 4話

last update publish date: 2026-08-02 10:15:45

俺は昼近くの時間で目が覚めた。

そういえば今日は飯田と約束してたのを朧げに思い出し、身支度を整えた。

顔を洗って歯を磨くと飯田からLINEが飛んできた。

「おっす!俺ももう少しで家出るから…駅の近くの喫茶店で待ち合わせなー!」

そんな、端的かつ彼の性格が出ている明るめの文面が目に入る。

ちょっとめんどくさいんだけど、まあでもゲームしかどうせやらないだろうから、たまにはこういう休日もいいのかもしれない。

母親は、今日はいなかった。

仕事が不定休なのできっと今日は出勤なのだろう。

リビングに降りるとフライパンの上にベーコンエッグがあるので、俺はマーガリンを食パンにつけ、粉末のココアをかけてココアパンにしてから、コーヒーと一緒に食事をして家を出ることにした。

☆☆

俺は待ち合わせのコーヒー店についたので惰性で続けてるソーシャルゲームをいじり出す。

さて、今日もデイリーイベントをこなさなければならない。

デイリーイベントはそこまで重要な報酬は無いのだけれど、積み重ねるとキャラが強くなるのを実感するので俺は欠かさずにやっていた。

カフェではカフェラテを購入して待っている。

飯田のやつ、珍しく遅いな…。

朝早くからランニングをしているくらい彼は生活が充実してるので、遅く起きるだなんて彼らしくはなかった。

一体…どうしたというのだろうか。

暫くすると足音が聞こえてきて、筋肉質の体型とセットされたセンターパート、そしてまるでラッパーのようなダボダボの服に包まれた飯田がいた。

「わりい!まったか?」

「おう、15分ほどね。」

「そうかそうか、それならいいんだ!じゃあそろそろ行こっか!」

「りょーかい!遅れた分は奢りで許してやるよ。」

「おいおい、ちゃっかりしてるな…大丈夫だよ、相手の時間を無駄にさせるのは失礼だからな。」

このように飯田はただの助べではあるのだがこういう所はキッチリとしてるからこそ、やつは人間関係の中心にいられるのだと思う。

彼はどこまでも人情家だった。

俺達は駅から15分ほど歩くと、古着屋さんに辿り着くことができた。

それにしても通学以外で外出は実に久しぶりであった。

「この服いいだろ。」

「いや、独特過ぎて俺には無理だ!」

「んだよぉ!全く…お前はもっと色んなものに触れた方がいいぞ!価値というのは見るからこそ磨かれるんだ!」

「お前が磨かれてるのはAV女優を見る目が1番育ってそうだけどな。」

確かに、と飯田はあははと笑う。

何故か飯田はすけべとかムッツリといわれると褒め言葉のように喜ぶのだ。

本当にどうかしてると思う。

「お前まさか遅刻したのって…AVの見すぎじゃないだろうな。」

「あー…まあ、うん…。」

飯田は少し目をそらす。

おい、図星かよ。

「なんか、いい作品でも見つかったのか?」

「そうだな!なんというか、ちょっと最新作よりも一昔前のやつを漁ってたんだ。」

何たる性への執着心なのだろう。

最新作だけじゃなく、少し前のジャンルまで手を出すとは流石である。

きっと彼は後の世界にもその変態さを輝かせるであろう。

「それでさー、特にこの作品の女優さんが良くってな!」

飯田がネットをいじり出して、女優さんを見せる。

「人前でそんなものみせるなって!なんなんだよ全く…。」

「お前ってほんと性欲ないよな〜、そっちの生き方の方が不健全だと思うぜ。」

飯田に画面を無理やり見せられて、いやいや画面を見つめる。

なになに…10年前に一世を風靡した伝説のAV女優、橘遥香…。黒髪とカリスマ性のある演技で一気に人気絶頂へ。

そこに写ってた女性は黒髪な清楚な雰囲気をしていて、それでいてどこか綺麗さもあってAV女優なんてとてもやってなさそうな雰囲気がした。

というか、この人芸名だと思うけど遥香って名前なんだな。

「お前、俺の母ちゃんと同じ名前だから好きなんじゃねえの?」

「まあ、それもあるかもしれないな!あの人美人だし…!」

「やめろ、自分の母親とAV女優を重ねられる俺の気持ちにもなってくれ。」

それにしても、確かに俺の母親と似ている。

耳に2つのホクロがあり、胸の間にもホクロがあるが俺の母親とは胸の大きさが違っていた。

だが、そこまで判明した時点で俺は飯田の画面を閉じる。

「あ、ちょっと!こっからがいいのに!」

「はいはい、公然でのAV視聴はやめましょうね。」

俺はこれといって性欲が本当にない。

多分中2の時に大勢の前で告白されたことか、中3の時に好きになった人が急遽親友と付き合うことになったか…原因は考えればいくらでも想像が着くのだが、どちらにせよ俺は女に対して興味が一切無くなっていた。

「そういえば…古着は?目的のやつはなかったのか?」

「あー、それが目星つけてたやつ…売れちゃってたんだ。あれ結構価値あったビンテージ物だったのに。」

「ビンテージ?」

「まあ、あれだ!年季ってことだよ!ジーンズとかも染め直したり、色あせたりすることで価値が上がったりするんだよ!」

「そういうものでお金って動くんだな…。なかなか深いな。」

飯田はとにかく好奇心の方向性が変わりやすい。

恐らく話がAVに変わったのも目的が無くなったからだろうと容易に想像ができた。

俺達は帰りに予定があるのでマックに寄ってから帰り道を目指すことにした。

「いやー、まあでも普段陽キャな奴らと絡むのもいいけどお前さんは本音で喋れるから楽だよ。」

「不思議なことを言うね、君も。」

飯田が急にそんなことを言い出す。

陽キャで友達が多いのにそんなことあるのだろうか?

「なんというか、あれだよ。俺って面白いだろ?」

「自分で言う?それ。」

「まあでもあれだよ、みんな面白いことを言って、スケベで!着飾る俺が好きなんだよ。」

「それお前の全部じゃね?」

「違うんだよ、お前は何も無くても理解できなくてもフラットに話を聞いてくれるから好きなんだよ。」

「ホモはいつも告白が大胆だなぁ〜。」

「友達としてな!?」

飯田がツッコミを入れる。でも確かにこいつと一緒に居るのは退屈しない。俺らの関係は理解者というものなのかもしれないな。

そんなこんなで俺達は駅の前に着く。

とはいえ、こいつとは最寄りも同じだから普通だったら帰り道も一緒である。

「じゃあ、俺はこの後カラオケに行かなきゃ行けないから…また連絡するわ。すまんな、最後まで一緒にいれなくて。」

「いや、いいよ。カラオケのメンツ俺あんまり馴染めないからさ。」

「そうか、まあでも友達欲しくなったらいつでも頼れよ!」

「ありがとう、それじゃあ俺は行くわ。」

俺達は帰路で分かれる。

とはいえ、また明後日に学校があるからその際にも顔を合わせるので別れはあっさりだった。

「さて、俺はまたひと狩り行くとしますか。」

俺は、PASMOにお金をチャージして改札をくぐり地下へと消えていった。

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