Masuk主人公の天野直輝(あまのなおき)は母親の天野遥香(あまのはるか)と2人暮らしの高校生2年生だった。 直輝は小中でいじめを受けていた過去があり、内向的かつ無気力な高校生活を送っていた。 ある日、直輝はすけべでムッツリの親友の飯田蓮(いいだれん)からAVを見せられると、過去に母親がAV女優だったことが判明する。 最初はそんな母親を酷く軽蔑をする直輝だったが、普段見せることのなかった母親の過去の苦悩や覚悟を知り、母親と向き合って成長をしていく物語。 エロい物語だと思ったやつ、すまんな。 この物語はエロ要素はありません。 テーマは「家族愛と成長」。 きっと読んだら少しでも前を向いていける、そんな物語。
Lihat lebih banyak「ーーーーおきー!」
どこからか……ぼんやりと声が聞こえる。
微かに意識が戻り、見知った天井、そして見知った声が聞こえる。
「直輝ー!起きなさい!そろそろ学校でしょー?」
季節は4月の上旬。
暦の上では春であり、暖かい陽光と野鳥が心地よくさえずっていた。
しかし、この俺こと天野直輝は昨晩も某モンスターをハントするゲームをネットの友達と一緒に3時まで打ち込んでいたので睡眠としては3時間しか寝てなかったので、この穏やかな陽光が鬱陶しくさえ感じていた。
「直輝ー、起きなさい!起きないとほっぺにチューするわよ。」
「本当に気持ち悪いからやめてくれ……。」
背筋がゾッとして目が覚める。
さっきから俺の名前を呼ぶこの女性は天野遥香、俺の実の母親である。
なんというか……俺の母親は変わっている。
年齢は今年32歳になるのだが、俺が16になるので年齢差は16と異様に若い。
そのせいもあってか、母ちゃんは学歴は中卒であり今はパートをしていた。
「なによー!反抗期なの?」
「うるせえよ、ババア。」
「あー!お母さんのことババアっていった!」
言葉ではババアと罵るが母ちゃんは若く顔も美形であり、スタイルも異様に良いのだ。
その他にも不可解な点が幾つかある、我が家には物心着く頃から父親という概念がないのだ。
それなのに俺にはきちんと家もあり、車もある。
中卒のパートで片親なのに、俺の人生は何不自由ない生活を送っていた。
「聞こえてるの?直輝!」
「ごめんごめん……なんだっけ。」
「とりあえず朝ごはん食べよっか!何事も朝の習慣が大事よ!」
俺は少しうんざりとしながら、少し散らかった部屋を後にした。
ゆっくりと木の階段をおりていく。
リビングには母親の作ったフレンチトーストとソーセージとサラダがあった。
隅にはハンドドリップのコーヒーもある。
「また凝った朝飯だな……。」
「でしょー!この前ソーセージの作り方の本があったからスタッファーまで買って作ってみたの!」
母親の作ったソーセージはひき肉からカレーに似たスパイスを感じる。脂と粗挽きの肉のバランスも絶妙で桜のスモークもかけてある。
なんでこんなにこだわれるのか……俺には理解が出来なかった。
「これで直輝も元気いっぱいね!さ、学校にいってらっしゃい!そろそろ飯田くんも来る頃じゃない?」
「はいはい。」
そろそろ学校の始まる時間だ。
いつも学校に一緒に行く飯田が来る時間なので俺は身支度を整えることにした。
飯田はいつも俺が支度する時に来る。
俺が歯を磨く時に……決まってくるのだ。
そろそろ来るかと思ったが、俺の予想は見事に的中した。
ピンポーン
インターホンが鳴り響く。
すると、陽気でどこか抜けた声が聞こえてきた。
「直輝ー!起きてるかー!」
そう、この男こそ俺の悪友の飯田蓮である。水泳部に行っているので少し筋肉質な体型をしている。髪型はショートヘアーツーブロックにした健康的なイケメンだった。
こいつとはいつもなんだかんだ一緒にいるのである。
俺には勿体ないくらいのスペックの男なのだが、致命的な弱点がある。
「あらー、飯田くん!よく来たわね〜。」
「遥香さん〜!今日も美しいっすね〜。」
「もういやだわ〜!お上手ね!」
こいつは自他ともに認めるすけべである。
俺に会いに来るのもあるが母親を見るために来るのだ。
友人ながら忌々しい……。
頭の中はピンクで染っていて、AVを見ない日が無いと誇る程なのだ。普段から下ネタや隠語を話したりするし、ホモビデオの特徴的なセリフを普段の会話で使う変人である。
「やめろバカ、気持ち悪いぞ。」
「んだよぉ〜!もー、つれねぇな!」
「普通人のかーちゃんナンパするやつがいるかよ。」
「ナンパだなんて!俺には遥香さんは尊過ぎるんだよ!」
「うるせえ、学校行くぞー!」
俺と飯田は玄関の前で立ち止まり、ドアを開けようとした。後ろを振り向くと、少し寂しそうな母親がしんみりとしたが、直ぐに眩い笑顔に切り替わった。
「行ってらっしゃい。」
「おう。」
俺はいつも通り母親に素っ気なく家を出た。
☆☆
「にしてもよー、あれだよな。」
「なんだよ。」
飯田が楽しそうに話す。
こいつ黙ってればモテるのに喋り方がもうアホっぽかったりと色々と残念だと日頃から思う。
どうせ、これから話す内容もくだらないだろう。
「お前の母さんってさ、マジで美人だよな。
スタイルも良いし……ありゃあGカップあるんじゃねえか?」
「やめろ気持ち悪い。母親ってまじでそういう目で見れないだろ。」
俺は母親の異性としての魅力を本能的に拒否をする。
きっと遺伝子がそういうように出来てあるのだろう。
たしかに綺麗だと思うが、勘弁して欲しい。
「話を戻すよ、お前の母さん……どっかで見た事あると思うんだけど……芸能人とかかな?」
「お前、芸能人とか見るタイプだっけ?」
「いや、ほとんど見ないな。」
「聞いた俺が馬鹿だったよ……どっかのAV女優と勘違いしてるんじゃねえか?んなわけねえと思うけどよ。」
すると、不意に飯田は少し考えると静かに首を傾げた。
「なんだよ。」
「いや、まさかな……俺の思い過ごしだ。」
「んだよもう……そんなことより、そろそろ学校だぞ?」
俺たちは桜の並木のある坂道を登ると、少し古ぼけたコンクリートの学校があった。
少し早めの五月病に近いような倦怠感の中、俺たちは学校の門に入っていった。
俺は、名実ともに舞衣さんの彼氏になった。これも初めての経験である。こういう時、どう振る舞うかはまだ分からないけど……彼女という学問をある程度収めた僕ならわかる。きっと自然体がいいのだ。お互い歩幅を合わして歩いていく。「そういえば、あの日から少しづつだけど彩奈ちゃんとの関係も戻ってきたよ!」「彩奈……川崎さんか、あんなことをされたのに舞衣さんは心が広いね。」「まあね、ショックだったけど……あれからいい方向に進んでる気がする。」俺たちはまだお店の並ぶ島にいた。お店が並んでいて……、人もまだ沢山いてお祭りのようだった。そして、彼女はあるお店で足を止める。「ねえ、これよくない?」彼女が指差すお店は、鼻緒と下の部分のカラーを選べるビーサンのお店だった。確かに、思い出の品としてももってこいだった。俺はニューバランスのスニーカーだし、舞衣さんもスニーカーなのだが、先程の岬で随分濡れてしまったのでとても気持ちが悪かった。なので別の履物がお互い欲しいのと、思い出の品はひとつも買ってなかったことを思い出した。「行ってみようか。」「うん!」沢山並んでいる……20色以上のバリエーションがあって悩む。ちなみに俺は適当に決めてしまいそうだったのだが、彼女がひとつの提案をする。「ねえ、お互いの色を決めない?」「おお、そうだね……面白そう。」俺と彼女はお互い完成するまでは見せないルールにして、5分程悩んだ末にお互いのビーサンが完成した。俺は、ターコイズブルーとイエローのカラーリングにした。大らかな彼女は海のような青が似合っていたけど、明るいところも素敵なので黄色をチョイスしてみた。「えー!めっちゃ可愛い……絶対大事にするね!じゃあ私からも……はい!」俺に渡されたビーサンは藍色のような……紺のような色とオレンジの組み合わせだった。「おお、なんか……凄く俺っぽいカラーかも。」「そう言うと思った!直輝くん普段は落ち着いてるけど……時折情熱的なところがかっこいいから、これにしちゃった。」また、心臓がとくん、と音がするのを感じた。ああ、なんて素敵なのだろう……俺はリア充はとにかく嫌いだった。目先さえ良ければいいと思ってディズニーの被り物をしたりペアルックとかするカップルは愚の骨頂だとさえ思っていた。違う……そうじゃない、こうやってお互い感動するもの
ザザー……ザザー……と波の音が聞こえる。ビーチには水着の人さえいて何処か目のやり場に困る所であった。「ねえ、直輝くん?」「さっきから別の女の人ばっかり見てない?ここにも可愛い女の子いるんですけど。」「な!?なんてこというんだよ……べ……別にー?海見てただけだし。」舞衣さんが俺の事をジト目で見つめる。心無しかなんか握力が強いように感じるのですが……!いや、これ普通に痛いぞ!?「もしかしてちょっと怒ってます?」「えー、なにがー?」「い……いや……その……なんかさっきから左手が果てしなく痛みを感じていて……ミシミシとか行ってるんだけど。」「じゃあ、今日は私だけを見てくれたら許してあげる!」「見る!見ますから!ちょっと握る強さを弱めて!」驚いた、舞衣さんがこんなにも力が強かったなんて。もしかして彼女本当は怖いところがあるのだろうか?こ……これがいわゆるヤンデレってやつなのかな?ちなみに海に行くのは家族以外だと舞衣さんが初めてだったりする。俺にとってはこの体験もフレッシュなのだが、女性相手に冷や汗をかくのもフレッシュな体験だ。そんなこんなで島に辿り着くと、そこはお店や旅館などで賑わっており長年の観光地であることがそれだけで示唆できた。すると、舞衣さんはある店の方向に進んでいく。そして、俺の方を見て話しかけた。「ねえ、直輝くん!たこせん食べない?」「たこせん?う……うん。」たこせんとはなんぞやと疑問を浮かべるが文字通りタコのせんべいなので想像はしやすかったのだが、如何せん俺は引きこもり同然の陰キャなのでそういったものは知らない。お店に並ぶと、A4の下敷きくらいのタコと生地をプレスしたような大きなせんべいがあった。なるほど、確かにこれは女性ウケがいいのかもしれない。彼女は手に取るなりパシャっと自分と一緒に写真を撮る。流石は若い子である、写真映えなどにも精通しているのだろう。「インスタかなんかに投稿するの?」「うん!ストーリーにあげようかなって思うんだ。」ちなみに何言っているのかはよく分からない。インスタ映えって単語しか知らない程度である。男は黙ってXでポストをするもんでしょ?彼女は数秒スマホを操作するとスマホを止めた。「よし!投稿完了!」「へぇ〜写真とかそんな簡単に送れるんだね。インスタはよくやるの?」「うん、私
ゴールデンウィークの2日目だった。天気は涼しさというかとにかく暑さしかなくて夏がもう来てしまったのではないかと思う猛暑になっていた。ニュースはとにかくゴールデンウィークのレジャーのことで持ち切りになっていて、俺はコーヒーとハムチーズトーストとココアトーストを食卓に並べていた。今日は佐倉さん……まちがえた、舞衣さんとのデート(?)当日である。実は恥ずかしい話俺は高校2年生にもなって女の子とデートをしたことがなかった。なので、少し自身の挙動に落ち着きがないのが手に取るようにわかった。「直輝?」「……。」「なーおーきー!」「はっ!」俺はぼうっとしていたようで母ちゃんの問いかけにすら気づいてなかった。おかしい、やっぱり今日の俺おかしい。「どうしたのよ、永遠にヨーグルトをスプーンで混ぜてたわよ。」「はっ!」俺は無意識にスプーンを円を描くように混ぜていたように気がつく、明らかに普通じゃない。「あははは!直輝〜今日のあんた面白いわね〜。」「うっせぇ。」「まあでもこの前は傷だらけで帰ってきたからビックリしたわよ〜傷もやっぱり若いから治りも早いのね!」確かにあの日から5日が経過したとなると、あの日の傷もほとんど治っている。虎ノ門君は馬鹿力で手加減というものも知らなかったのでこんなに傷を負ったこともなかった気がする。そして、あの日に舞衣さんにデートに誘われたのだ。何故だろう、一晩を一緒にいた(やましいことはございません!)のにこんなにも意識をするのは童貞の性なのかもしれない。「今日の予定は?」「江ノ島?」「なんで疑問形なのよ。」「まあ、そんな感じよ。あとは察してくれ。」彼女には江ノ島に行く約束をしたのだ。実は江ノ島は行ったことがないのでイメージがとにかくわかなかった。島だから……海?それくらいである。「母ちゃんカウンセラーとかじゃないから察するのは無理です〜元AV女優なんで。」「やめてくれ、掘り下げるのは息子としてきつい。」「あはは、まあいいわ……もう半分大人みたいなものだし全部を話す義務もないから大丈夫よ!」母ちゃんはいつもとにかく明るい。きっと過去が壮絶だったのできっと受け止められるだけの器が人よりも大きいのだろう。少し安心したので俺は身支度をする。「行くの?」「ああ、待ち合わせは早めの方がいいってネットに……。
赤鬼のような形相で立ち塞がる虎ノ門君は圧倒的な力差を表すかのように体が身震いしていた。流石は学校最強のヤンキーである。勝てるわけが無いと構え方で分かるほどだった。「天野は目立たないやつだと思ったけど……能ある鷹は爪を隠すと言うやつだな……面白いから友達になろうぜ!」言葉は友好的なのだが行動が反比例している。虎ノ門君は上段の回し蹴りをするのでそれをガードする。なんとか、致命傷は防いだけど手が痛覚を酷く覚えていて震えているのを感じた。「やるじゃん!お前最高だよ。」「そうかい、ありがとう……暴力を辞めてくれると助かるんだけど!」俺は虎ノ門君の顔面に渾身の正拳突きを叩き込む。しかし、それをおでこで受け止めてニヤリとしていた。「やぁだよ♡もう少し遊ぼうぜ?」「な!」すると、虎ノ門君の右フックとボディブローがクリーンヒットして体制を崩すと飛び回し蹴りて吹き飛ばされた。威力もすごいけど……小柄な割に体感もしっかりしていて恐ろしい。まさに隙なしと言ったところである。「どうするの〜。王子様〜?お前すごいよなぁ、だって女の子から注意を引くために川崎に水ぶっかけたりしてるんだもん。」「な!気づいていたのかよ……。」「もちろん!でもね〜もう少し頭が足りてないんだよなぁ、だって普通に頭数とかが足りてないから足し算ができてない。」虎ノ門くんは直ぐに俺の意図を読み取ったりするあたり、かなり頭も切れるっぽくて俺は面食らってしまった。「じゃあ、もうやめよう。この戦いは不毛だよ……君とは分かり合える気がする。」「あ?お前女守ると腹括ったんならやることやれや!」虎ノ門君の一方的な暴力が俺を襲う……、一発一発が重いしリズミカルにうごくので俺は為す術などなかった。やば……血の流しすぎで意識も揺らいできた……。相手は攻撃をやめようともしない……死ぬ……かも……。俺の意識が薄まってくる中……微かになにか聞こえた。「うおおおおおおおお!」その向かってくるような声は……いるはずも無い飯田だった。「あらら〜、なんだちゃんと隠し玉いるじゃん。人気ゆるキャラの飯田くん〜君はやっぱり天野の仲間か!」「い……飯田……。」「すまん、直輝……俺少しお前のこと怖いと思ってたり……学校からいじめの標的としてお前を守ること……できなかった!」飯田の第一声は以外にも謝罪の一