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第691話

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月子は、大切な人が傷つけられると、我を忘れるほど取り乱してしまう。

だから今、本気で怒っていた。

その傷口を改めて目の当たりにした彼女の顔は、見る見るうちに青ざめていった。

誰に言われるでもなく、南はすぐに救急箱を用意させた。

隼人がソファに座って傷の手当てを受けている間、月子も手伝おうとした。

隼人は、彼女の瞳に宿る心配の色を見て、それを断った。「月子、大丈夫だ。デザートでも食べていてくれ。すぐに終わるから」

「あなたのそばにいたい」月子はそこを動こうとしなかった。彼女は、誰かが怪我をしたり病気になったりすると、とても心配になる性分だった。それに、辛い時に誰かがそばにいてくれれば、きっと心強いはずだと思っていたから。

隼人は少し固まったが、やがてため息をついた。「わかった」

ここにいるかかりつけの医師は手際がよく、処置はテキパキと進んだ。傷は見た目ほど深くなく、縫う必要もなかった。薬を塗って数日安静にすれば、すぐに良くなるそうだ。

「傷が濡れないようにしてください。海に入るのはもってのほかです」

月子はそれを聞いてようやく安堵し、医師を見送った。

甲斐甲斐しく立
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