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第905話

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月子は、決して意志が弱いわけではなかった。ただ、隼人が手強すぎたのだ。その上、彼の驚くほどの美貌を前に、彼女は誘惑に抗うことができなかった。

隼人と少しでも長く一緒にいると、理性的だったはずの彼女は、いとも簡単に崩れてしまうのだ。

それは、月子自身も予想していなかったことだった。

月子は自分の影を踏みながら歩いていた。

はっと気づくと、彼女は隼人にぶつかりそうになってしまい、顔を上げると、ちょうど隼人が自分の方を振り返ったのが見えた。

すると、月子は慌てて脇へと身を引いた。

この風邪を子供たちにうつすわけにはいかない。

太陽を背にした隼人は、月子がさっと後ずさるのを見て彼女にとって一番大切なのは、やはり子供たちなのだと思った。

それと同時に、彼は静真に加えて、今では生後2ヶ月にもならない子供たちにまで嫉妬するなんて、自分は本当に……もう救いようがないなと感じるのだった。

「月子、もう戻ろう」

「もう?」月子は彼を見た。

「30分だ。薬の時間だぞ」そう言う隼人の口元には、まるで雪が溶けるような淡い笑みが浮かんでいた。月子は思わず見惚れてしまった。

月子が薬を飲むと
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