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元妻が戻った日に、私は離婚した

元妻が戻った日に、私は離婚した

By:  芝崎聞Completed
Language: Japanese
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ビジネス界の大物は子連れのバツイチ。 私・桐島璃央(きりしまりお )は彼と電撃で再婚した。 結婚して五年、私は仕事を辞め、家にすべてを捧げて「いい母」「いい妻」でいようとした。 そんな日々は、郷田和真(ごうだ かずま)の元妻・佐藤静香(さとう しずか)が突然帰国の準備を始めるまで続いた。 その夜、五歳の息子・郷田拓哉(ごうだ たくや)は和真の部屋から私の荷物をゲストルームへ放り出した。 「あなたは継母だ。パパと一緒に寝ちゃダメ。ママを悲しませたくない。出てって、ここは僕たちの家だ!」 家政婦たちはせせら笑い、和真は眉を上げて私に言った。 「息子が実の母の味方をするのは普通だ。気にするな。今俺の妻はお前なんだから」 私は「うん」とだけ答え、投げ出された荷物を黙って片づけた。 深夜、和真が私のベッドに潜り込もうとしたが、私は首を振った。 「婚姻契約の期限はあと二日。二日後、私たちは離婚しよう!」

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Chapter 1

第1話

ビジネス界の大物は子連れのバツイチ。

私・桐島璃央(きりしまりお )は彼と電撃で再婚した。

結婚して五年、私は仕事を辞め、家にすべてを捧げて「いい母」「いい妻」でいようとした。

そんな日々は、郷田和真(ごうだ かずま)の元妻・佐藤静香(さとう しずか)が突然帰国の準備を始めるまで続いた。

その夜、五歳の息子・郷田拓哉(ごうだ たくや)は和真の部屋から私の荷物をゲストルームへ放り出した。

「あなたは継母だ。パパと一緒に寝ちゃダメ。ママを悲しませたくない。出てって、ここは僕たちの家だ!」

家政婦たちはせせら笑い、和真は眉を上げて私に言った。

「息子が実の母の味方をするのは普通だ。気にするな。今俺の妻はお前なんだから」

私は「うん」とだけ答え、投げ出された荷物を黙って片づけた。

深夜、和真が私のベッドに潜り込もうとしたが、私は首を振った。

「婚姻契約の期限はあと二日。二日後、私たちは離婚しよう!」

和真は気にも留めず、私の頭をくしゃっと撫でた。

「拓哉に怒ってる?それとも静香?彼女は子どもを見に戻ってきただけだ。お前の立場は揺らがない。今の俺はお前に満足してる。なのに、なんで離婚なんだ?」

私は視線を落として言った。

「疲れたから」

和真はわずかに驚いたようにふっと笑い、長い指で私の顎を持ち上げた。

「疲れた?最初は金のために俺と結婚したんだろ。まさか静香みたいに出て行って、俺の気を引きたいわけじゃないよな」

静香は和真が今でも忘れられない元妻だった。

私は彼の手を払いのけた。

「そんなことしない」

和真は鼻で笑った。

「やめとけ。静香は生まれつきプライドが高い。あの頃、俺が良い生活を用意できなかったから、彼女が去ったのは理解できる。けどお前は彼女じゃない。お前が出ていっても、俺は引き止めない。

それに、この数年で十分すぎるほど金を渡してきただろ。これからも同じだけ与えてやれる。それでもまだ離婚だと騒ぐつもりか?」

その声には軽蔑と皮肉が混じっていて、まっすぐ胸の奥に突き刺さった。

私は苦く笑い、目の奥が暗く沈んだ。

和真と結婚して五年、彼はことあるごとに私を静香と比べた。

彼と拓哉の中では、私がどれだけ頑張っても、いつも静香の一段下だった。

私は彼女みたいに綺麗でも、あんなふうに眩しくもない。

出会い方が悪かったのかもしれない。

彼は最初から私をまともに見ていなかった気がする。

五年前、和真が破産寸前でどん底にいたとき、静香はためらいなく父子を捨てた。

いちばん苦しい時期、彼は金を持って私のところに来て、契約結婚を持ちかけた。

子どもの面倒を見てくれと。

私はうなずいた。

この五年間、私はすべての真心を注いできた。

けれど結局は私の欲張りだった。

本当の「家」があるなんて、そんな夢を見てしまった。

今となっては、離婚を口にすることすら冗談みたいに響く。

和真は私が黙り込んでいるのを見て、しだいに苛立ち、棚から札束を取り出してベッドサイドに放り出した。

「拓哉だって大勢の前でお前を嘲ったわけじゃないし、そもそも実の母親じゃないんだから、そんなに傷つくことか?わざわざ夜中に俺に食ってかかるなんてな。ほら、金やるよ。これで気が済んだか?自尊心は慰められたか?」

一束、少なく見積もっても200万円はあるだろう。

私は金が好きだった。

貧乏暮らしが染みついた人間は、金がなければ生きていけない。

これまでは傷ついても、彼が金をくれれば私は笑顔を作れた。

けれど今は、ただ離れたいと思うだけ。

私は和真を見つめて言った。

「二日後に離婚するわ。今夜からは別々に寝ましょう」

和真はついに怒り混じりに笑い、いきなりベッドサイドのランプを叩きつけた。

冷たい眼差しを私に突き刺す。

「璃央、どうやら俺が最近甘やかしすぎたらしいな。調子に乗りやがって!出ていけ!庭で冷たい風にでも当たって頭を冷やせ。まだ本当に贅沢に飽きたと思ってるのか、よく考えてからもう一度離婚って言え!」
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