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第5章

Author: Paddi white
last update publish date: 2026-09-22 14:35:38

第5章

私はリビングでくつろいでいるところだった。そこへ彼が入ってきた。彼の姿を見た瞬間、私は自分がたった今、見ず知らずの男性に自分の人生を委ねたのだという事実を、改めて思い知らされた。

彼は一日を終えて明らかに疲れ切った様子で、私の前を通り過ぎた。

「お帰りなさい」と私は温かな笑顔を浮かべて言った。

「ありがとう」と彼は答えた。

私はもう必要ないと思い、彼にブラックカードを差し出した。

「そのまま持っていていい、ダイアナ」と彼は言った。

「ここにいる間、君が何かに困ることがないようにしたい……必要なものは何でも、それで買えばいい」と彼は念を押しながら、カードを私に返した。

彼はそれ以上何も言わなかった。シャワーを浴びるために二階へ上がり、それから夕食を取るために再び降りてきたが、終始無言だった。私は完全に困惑していた。

ほんの数日前まで、私は壊れてしまった人生を抱えながら、どうにか生きていくために二つの仕事を掛け持ちしていた。それなのに今、私は夢に望むもののほとんどを手に入れられるようなカードを握っている。

すべてが、いつか目を覚ましてしまう夢のように思えた。

翌朝、私は早起きし、荷物の整理を始めた。もう必要ないと分かっているものはすべて捨てた。

私はデイビッドとの結婚の準備をしている間、仕事を休んでいたので、職場に戻る必要はなかった。

結婚したらいつも想像していた新婚旅行の予定はなかったものの、それでも私は、与えられた時間を最大限に楽しむことにした。

私は荷物を仕分け、もう必要のないものをすべて処分した。特に、元恋人のデイビッドからもらったものはすべてだった。彼との思い出を一つ残らず頭の中から消し去りたかった。そして、本気でそうしたかった。

整理を終えると、私は元恋人を思い出させるものをすべて捨てるために、ゴミ袋を取りに下へ降りた。

私はキッチンでメイドの一人に出会った。

「ゴミ袋を一枚いただけますか?」と、私は荷物を床に置きながら尋ねた。

彼女はそれらを拾い上げ、その場を離れていった。

私が振り返ると、すぐ後ろにルーカスが立っていて、私は驚いて飛び上がった。

「来たことに気づかなかったわ」と私は胸に手を当て、まだ息を整えようとしながら言った。

「君が何かに夢中になっていたからだ」と彼は答えた。彼の視線が、メイドが持っていった荷物の山に一瞬向けられた。

「大したものじゃないわ」と私は慌てて付け加えた。

彼はすぐには答えなかった。彼の視線は、メイドが荷物を持って行った先にしばらく留まっていた。

「それならよかった」

私はわずかに眉をひそめた。

「よかった?」

「もう必要ないものなら、なくなったほうがいい」と彼は淡々と言った。

私は頷いたが、なぜ彼の言葉が必要以上に重く感じられたのか、よく分からなかった。

彼は私の前を通り過ぎ、冷蔵庫を開けて水のボトルを取り出した。

私はしばらく彼を見つめた。

「今日は仕事に行かないの?」

「行く。後でな」と彼は短く答えた。

私はためらってから、再び口を開いた。

「それと……昨日話していた条件についてだけど」

それを聞いた途端、彼の注意が私に向いた。

彼はボトルをカウンターに置き、完全にこちらを向いた。

「それについては今夜話そう」

「今夜?」と私は繰り返した。

「ああ」

私の胃がわずかに締めつけられた。

「分かった」

短い沈黙が二人の間に流れた。

「カードのことだが、昨日言ったことは本気だ」と彼は付け加えた。

「分かってる」と私は静かに答えた。「でも、私は……こういうことに慣れていないの」

「そのうち慣れる」と彼は穏やかに答えた。

その言葉が本当に安心させてくれるものなのか、私には分からなかった。

彼は鍵を手に取り、出ていった。

私はしばらくその場に立ち尽くし、ぼんやりと宙を見つめていた。

何もかもが、まだ現実とは思えなかった。

彼が戻ってきたのは夜だった。

私が思っていたよりも早く夜が訪れた。

私が部屋に入ると、ルーカスはすでにそこにいて、ソファに座りながら書類を手にしていた。

彼は顔を上げて私を見た。

「座れ」と彼は命じた。

私は彼に近づき、向かいに座った。指を落ち着かない様子で固く絡ませていた。

彼は書類を閉じ、テーブルの上に置いた。

「一つ、はっきりさせておこう、ダイアナ」と彼は切り出した。「この結婚は契約だ」

私は唾を飲み込んだが、頷いた。もちろん、そんなことは予想できていた。

私が彼のような人と結ばれる可能性など、どうして期待できただろう?

「君はここで私の妻として暮らす。人前では、妻としての役割を果たしてもらう。少しの失敗も許さない」

「分かった」と私は答え、すでにこの状況にどう対処するのが一番いいのかを考え始めていた。

「二人きりのときは、お互いに自分の望むように自由に生きる」

その言葉に少し胸を刺されたが、それでも私は頷いた。

「必要なときには私と一緒に行事に出席してもらう。きちんとした服装をし、必要なとき以外は口を開かないこと」

「分かったわ」

彼は数秒間、私を見つめた。まるで私の考えを読み取ろうとしているかのようだった。

「その代わり」と彼は続けた。「君に必要なものはすべて用意する。何一つ不自由はさせない」

「過去の問題が戻ってきて、すべてを台無しにするようなことは避けたい」と彼は付け加えた。

デイビッドの顔が頭をよぎったが、私はすぐにその記憶を追い払った。

「そんなことにはならないわ」と私はきっぱりと言った。

デイビッドとの間にあったすべては、完全に終わったのだ。

「よし」と彼は一度頷いた。まるで会話が彼の思い描いた通りに進んでいるかのようだった。

「休め」と彼は立ち上がりながら言った。「明日から始める」

「何を始めるの?」と私は尋ねた。

彼は肩越しに私を見た。

「本物のバーナード夫人になることだ」

本当のバーナード夫人になるとは、一体どういう意味なのだろうと私は考えた。

私はこれまでの人生で、このような世界に触れたことなど一度もなかった。

何年もの間、私は請求書の支払いを心配し、生きていくためだけに休むことなく働いてきた。

それなのに今、私は外見や社交界の作法が何よりも重視される世界へ足を踏み入れようとしていた。

私はこれから待ち受けているものを、生き抜くことができるのだろうか?

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