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第6話

Author: 広羽
痛い、酷く痛む……

全身の骨が砕け散ってしまったかのようだ。指の関節をわずかに動かすだけで、神経細胞から激痛の警告信号が送られてくる。

後頭部を耐力壁に激しく打ち付けられ、意識と視界がぐるぐると回る。だが幸い、この最悪な状況は長くは続かない。胸元の宝石から温かい奔流が溢れ出し、傷ついた肉体を急速に修復していく。

ライラックは腕を持ち上げる。瓦礫が身体から滑り落ち、地面に音を立てる。

「うぅ……」

彼女は苦労して瓦礫の山から這い出した。手にした星の杖から淡い紫色の魔力のリボンが溢れ、肌に吸い付くように舞い、傷ついたドレスを修復する。

ポロリやパンチラなどありえない。魔法少女の戦闘服の基盤プログラムは自身の完全性維持を最優先している。だから、一部のアダルトゲームで妄想されるような「衣装破壊」版魔法少女など、現実にはまず存在しないのだ。

彼女は無傷の自分を見下ろす。変身状態での身体能力には慣れているはずだが、それでも感嘆せずにはいられない。変身後の魔法少女の肉体強度は、常軌を逸している。

生身の人間が暴風に巻き込まれ、砲弾のようにビルに叩きつけられれば、即座にただの肉塊と化していただろう。だが自分は……わずか三、四分で瓦礫の中から這い出し、ほぼ無傷の状態だ。

それでも、これほどの回復力と防御力を持ちながらも、侵蝕種との単独戦闘において魔法少女は依然として劣勢にある。

ピピッ――

戦術ヘッドセットの青いランプが点滅し、電子音が鳴る。

ライラックは手を伸ばし、通信を繋いだ。

「ザザッ――ライラック、状況を報告しろ。聞こえるか?聞こえるか?」

作戦部オペレーターの切迫した声が響く。

「ノイズが酷い……本部へ報告。怪我はありません。侵蝕種の羽ばたきによる暴風でビルに叩き込まれただけです」

「よかった……『バブル』と『ビャッコ』がもうすぐ到着する。持ちこたえてくれ!」

「了解」

「体力と魔力の残量は?」

「当面の戦闘には問題ありません」

「なら直ちに建物から離脱し、上空へ退避しろ。その蜂型侵蝕種の高周波羽音が通信に深刻な干渉を与えている。現在、本部では現場の映像を受信できない。繋がっているのはヘッドセットの予備短波通信だけだ」

「了解」

通信を維持したまま、ライラックは星の杖を振るう。淡い紫の魔力の波動が、目の前に堆積した瓦礫を一瞬で吹き飛ばした。

魔力と気流を共鳴させ、つま先で空を蹴る。重力に逆らう揚力が少女の体を空へと押し上げた。だが、校舎から飛び出し、侵蝕種の位置を確認しようとした瞬間、ライラックは眼前の光景に言葉を失った。

荒れ狂う漆黒の炎が大蛇のように蜂型侵蝕種の巨体に巻き付いている。さらに、凶悪極まりない漆黒の魔力ドリルが、敵の頭部の三分の二を無惨に引き裂いていた。背中で高周波を放っていたはずの三対の透明な翅は、いつの間にかその二対が無残にもへし折られている。

「ギャアアアアア――」

スズメバチが耳障りな絶叫を上げる。それは瀕死の野獣が上げる最期の悲鳴のようだ。

だが、侵蝕種はやはり侵蝕種だ。空さえも引き裂くこの怪物たちの生命力は、通常の生物とは比較にならない。全身を黒炎に焼かれ、翅を折られ、頭部が三分の一しか残っていない状態でも、まだ死んではいない。

だが今注目すべきは、侵蝕種の惨状ではない。わずか三分間――自分が気絶していたその短い時間の間に、危険度Bクラスの巨大侵蝕種をここまで追い詰めた「元凶」の方だ。

これはもう、「手荒」という言葉で片付くレベルではない。

残酷、いや、凶悪そのものだ!

もちろん、敵に対してどれほど残酷になろうと問題はない。ある魔法少女の先輩が良いことを言っていた。

「この世のあらゆる生物は、攻撃されれば痛みを感じ、恐れ、隙を見せる。だが、侵蝕種にそのような感情はない」

空気に充満する不気味な黒炎が、ライラックの魔力視界を完全に攪乱している。視界に映る魔力分布図は炎のせいでぐちゃぐちゃに混ざり合い、有用な情報を読み取ることができない。

「これは……」

少女は口を開けたまま、言葉を失う。

「ライラック、何が見えている?」

「私……」

「おい、戦場でまた何か起きたのか?侵蝕種が変異したのか、それとも……」

「いいえ、違います」

ライラックは首を横に振り、呆然とその光景を見つめる。

燃え盛る黒い炎の中に、いつの間にか現れた謎の人影。黒いクラシックなドレスが風に揺れ、小さな帽子と黒いベールがその顔を半分ほど隠している。

相手が自分と同じ星の杖を持っていなければ、そしてこの異様な色彩とスタイルでなければ、魔法少女だと認識することさえ難しかっただろう。

「見知らぬ魔法少女がいます……

彼女が……彼女が、侵蝕種をほぼ壊滅させました……」

「何だって!?」

ヘッドセットから響く驚愕の声で、鼓膜が破れそうになる。

「見間違いじゃないのか?所属不明の魔法少女が、たった一人で?君が気絶していた三分間で、スカイネットを突破したBクラスを半殺しにしたと言うのか!?」

作戦部オペレーターの声は、信じられないという色で染まっている。

「見間違いじゃありません。私が幻覚を見ていない限りは……」

星の杖を握る手が震える。

私の初めての実戦任務は、こうして終わるのか?

何の役にも立てないまま、見知らぬ先輩に手柄をすべて持っていかれて?

蜂型侵蝕種が苦痛の悲鳴を上げている!

いや待て、侵蝕種に痛覚はないはずだ。つまり――

侵蝕種め、狡猾なやつだ。痛がる演技までこれほどリアルにするとは!

視点を戦場に戻そう。侵蝕種は今や風前の灯火だ。

三分の一しか残っていない頭部は今にもポロリと落ちそうで、背中の三対の翅もマンダラの手によってへし折られている。戦闘開始直後から、彼女は執拗に背中の翅を狙っていたようだ。

その手口の容赦なさときたら、まるで「翅のついた生き物を見ると折らずにはいられない」強迫観念でもあるかのようだ。

最大の攻撃器官である尾の毒針――鉄塔のように太く、鋼鉄より強靭なその針も、黒いドレスの魔法少女が振るう星の杖によって、すでに完全に粉砕されている。

ライラックは半空に浮遊し、特等席でこの謎めいた先輩の戦いぶりを観察していたが、あまりに過激なアクションに口元を引きつらせた。

この先輩、野生児すぎる!

魔法攻撃をほとんど使わず、手に持った星の杖による近接格闘だけで戦っている。魔法を放つかのように杖を振り上げる動作は、完全に侵蝕種の反応を誘うフェイントだ。

「魔法が来る」と思わせて隙を作らせ、次の瞬間には瞬歩で懐に入り、物理的な洗礼を浴びせる。

侵蝕種を手玉に取るその戦い方は、ライラックに錯覚さえ抱かせた。先輩が持っているのは魔法を放つ星の杖ではなく、もっと高位の武器なのではないか、と。

まるで子供を扱うかのように侵蝕種を殴り倒し、反撃の隙さえ与えない。

その戦闘スタイルは、魔法少女というより、戦場で命を刈り取る「黒い死神」だ。

いつしか戦闘は終局に近づいていた。

ライラックの感知能力は、遠くから二つの馴染みある魔力反応が急速に接近しているのを捉えている。眼下では、学校の広場に開いた深い穴の中で、先輩が攻撃の手を緩めた。どうやら、最後の一撃を放つ準備に入ったようだ。

究極の破壊魔法を放てば、この突発的な襲撃戦も幕を閉じるだろう。

二分間にわたる圧倒的な近接格闘ショーを鑑賞したライラックの胸に、ある好奇心が芽生えた。あれほど洗練された体術を持つ先輩の魔法は、一体どれほど素晴らしいものなのだろうか?

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