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第334話

Author: おミカン
「いいよ」

裕也は理由すら聞かず、即答した。

絵里は意外そうに瞬きをする。

「……どうしてか、聞かないの?」

「何を?」

スマホ越しの艶のある低い声が、今度は彼女のすぐ近くで響いた。

「絵里がやりたいことなら、好きにやればいい。俺は合わせる」

反射的に視線を上げた絵里の顔が、ぱっと明るくなる。

裕也が、ほんの二メートル先に立っていた。口元に笑みを浮かべたままこちらを見て、スマホを軽く振ってみせる。

背が高く脚も長い。所作は上品で、顔立ちは端正、見飽きることなんて、あるはずがない。

絵里は胸を弾ませ、駆け寄った。

「どうして来たの?」

嬉しさが溢れている。少し顎を上げた澄んだ瞳には、跳ねるような喜び。頬には、花が咲いたみたいな笑顔。

裕也の胸が、きゅっと鳴った。

俺を見て、そんなに嬉しいのか。

「江原社長が、こっちに来てるって言ってた。ちょうど近くにいたから、迎えに来た。一緒にホテルへ戻ろうと思って」

まさか着いた途端、絵里から電話が入るとは。

「今日はどうした?そんなに嬉しそうだけど」

絵里は唇をきゅっと結ぶ。

「当ててみて」

「褒められた?」

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富子
寧々頑張れ、和也と生きて
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