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第721話

Author: おミカン
明け方、目を覚ました絵里は、ソファに座っている裕也の姿に驚いて息を呑む。

「裕也?」

絵里は驚きに目を見開き、彼を見つめる。

上半身に白いシャツだけを羽織った裕也は、彼女が目覚めたのに気づくと、大股でベッドに近づいてくる。

「起こしちゃったか?」

「ううん」

ふと微かな血の匂いを感じ取り、絵里は眉をひそめる。

「怪我してるの?」

彼女は今夜起きた出来事をまだ知らない。

夜、裕也はここへ来ると言っていたが、結局姿を見せなかった。

十時過ぎまで梨乃が付き添ってくれて、その後は使用人が見守ってくれていた。

今夜はもう来ないのだろうと思っていたのに、こんな静まり返った深夜に突然病室に現れるなんて、嫌でも悪い想像が膨らんでしまう。

何かただならぬ事態が起きたのだと、直感が告げていた。

「平気だよ。手にちょっと擦り傷を作っただけだ」

裕也がガーゼで巻かれた右手を持ち上げると、薄暗い照明の下でも、指の関節から血が滲んでいるのが見える。

絵里は胸を締め付けられ、問い詰める。

「どうしてそんな怪我をしたの?」

彼女はベッドサイドに手を伸ばし、明かりをつけようとする。

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