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第132話

Author: キラキラ猫
寝室は狭い。

遥はベッドの端に膝をぶつけ、よろめいた。

湊が手を伸ばし、彼女の手首をしっかりと掴んだ。

「そんなに待ちきれなかったのか?」

遥は耳まで真っ赤にして体勢を立て直し、湊の手を振り払った。

「今日は無理ですよ。見たでしょう、引っ越しの準備をしなきゃならいけませんから」

大家の様子では、これ以上の猶予はなさそうだった。

この二日間は引っ越しで手一杯で、絵を描く時間などあるはずもない。

もともと約束していたのも、今日という日ではなかった。

湊の指が、遥のスケッチ用のノートをトントンと叩く。

「なら、要望くらいは出してもいいだろ?」

「どうぞ」

「俺の肖像画だが、目の前で描いてくれ」

遥は微かに眉をひそめた。

「社長、私は人物のデッサンはあまり得意じゃありません」

「分かっている。特急料金に加えて、さらに金を積もう」

さすがはお金の力というべきか。

依頼人本人がそう希望し、しかも追加料金まで払うと言うのなら、遥に断る理由はない。

以前にも、手描きのイラストを希望する依頼があって、それに見合った報酬を提示されたことがあった。

遥が受け入れられない
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