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第167話

Author: キラキラ猫
遥は首を横に振って断った。

「私の知る限り、そのイラストレーターはオフィス勤務を受け入れないはずです」

湊は軽く頷き、指先でデスクをトントンと叩いた。

彼の指には、あの日ホテルで、遥の指にはめたあの指輪が光っている。

あの後ホテルを出てから、遥はすぐに彼に返したのだ。

「昨夜のことだが」パソコンの画面を見たまま、湊が口を開いた。

遥は彼の言葉を遮った。

「分かってます。あなたが酔っ払っていただけでしょう」

湊はマウスに置いていた手を止めた。

彼は視線を上げ、こちらを向いた。

遥が立っている位置は、彼からかなりの距離があった。

まるで、彼が突然獣に変貌するのではないかと警戒しているかのように。

湊は思わず笑みがこぼれた。

「分かっているなら、なぜブロックしたんだ」

遥は深く息を吸い込んだ。

彼の言い草は、まるで私に非があるかのようではないか。

深夜に私の家に押し入り、私にキスをした。

それだけでなく、電話であんな破廉恥な真似をして、電話を切るなと命令したくせに。

遥はスマホの時計を見た。

すでに退社時間を過ぎている。

「不快な思いをしたからです。ブ
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