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第658話

Author: 鈴木真知子
通話が続く間――

静まり返った病室には、深い静寂が落ちていた。聞こえてくるのは、眠りに落ちた彩葉の、規則正しくも微かな寝息だけだった。

翔吾は窓辺にそびえるように立ち、仮眠室のベッドで深く眠りに落ちている彩葉の寝顔を、ただじっと見つめていた。

昼も夜も瑠璃子のベッドのそばに張り付き、泣き明かしながら親友が目を覚ますのを待ち続けた彩葉は、とっくに心身ともに限界を超えていた。彼女とて生身の人間だ。

夕方になり、とうとう糸が切れたように倒れ込んでしまったのだ。

これ以上彼女を自責の念で追い詰めるわけにはいかないと、翔吾は大勢の目があるのも構わず彩葉を抱きかかえ、仮眠室のベッドへと半ば強引に寝かせた。そして、逃げ出そうとする彼女の両手首を、大きな手で頭の脇にきつく押さえ込んで封じたのだ。

彩葉は顔を真っ赤にして抗議しようとしたが、男の圧倒的な力の前では身動き一つ取れなかった。

やがて、至近距離から降り注ぐ男の温かな吐息が彼女を優しく包み込み――張り詰めていた緊張が解けたのか、気がつけば、いつの間にか泥のように深い眠りに落ちていた。

そのまま、夜中になっても目を覚ますことはなかっ
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