تسجيل الدخول「このサロンの本当の目的は、没落してしまった貴族の子たちの縁組サロンなのよ」
「マ、マッチングサロン⁉」
「? 巷ではそう言うの?」
「あ、いえ。えっと、続けてください」
「そう? このサロンが出来る前は貴族が没落したらそれこそ女は花街に立つしかなくてね。元貴族のお嬢様がそんな所へ下りてくるなんて庶民には高嶺の花の存在の上に、恨みを持っている人も多い。だからそれはもう酷い扱いを受けていたのよ。だからオズワルド王がこのサロンを作ったの。ある人の為に」
「ある人?」
「ええ。王の幼馴染で、公爵家のお嬢様のジャンヌ様って言う方よ」
「ジャンヌ様……」
「でもジャンヌ様は三年前に隣国に嫁いで行かれたわ。ちょうど私がここの管理人になった時に」
「嫁いじゃったんですか⁉ しかも三年前⁉」
それはもしや、あの事件の発端になった出来事なのでは? 思わず私が身を乗り出すと、オリガはゆっくりと頷いた。
「そうなの。王が
「このサロンの本当の目的は、没落してしまった貴族の子たちの縁組サロンなのよ」「マ、マッチングサロン⁉」「? 巷ではそう言うの?」「あ、いえ。えっと、続けてください」「そう? このサロンが出来る前は貴族が没落したらそれこそ女は花街に立つしかなくてね。元貴族のお嬢様がそんな所へ下りてくるなんて庶民には高嶺の花の存在の上に、恨みを持っている人も多い。だからそれはもう酷い扱いを受けていたのよ。だからオズワルド王がこのサロンを作ったの。ある人の為に」「ある人?」「ええ。王の幼馴染で、公爵家のお嬢様のジャンヌ様って言う方よ」「ジャンヌ様……」「でもジャンヌ様は三年前に隣国に嫁いで行かれたわ。ちょうど私がここの管理人になった時に」「嫁いじゃったんですか⁉ しかも三年前⁉」 それはもしや、あの事件の発端になった出来事なのでは? 思わず私が身を乗り出すと、オリガはゆっくりと頷いた。「そうなの。王がここへ来なくなった時期と同じ時期よ。元々王はジャンヌ様の為にこのサロンを作ったようなものだって聞いてるわ。けれどジャンヌ様は周遊に来ていた隣国の王の子を身籠ってしまった」「……まさかの出来ちゃった結婚……」「ジャンヌ様も王もそれから塞いでしまわれて……あ、でもジャンヌ様は今は幸せそうよ。隣国の王はとても良い方で大切にしてくれているそうだから」「でも、うちの王は……」「……毎日のようにいらっしゃっていたのに、その事があってからぱったりと来なくなってしまったの。それまでは王の相手はほとんどジャンヌ様がしていたんだけど、子どもは一切出来なかった。けれど不思議なものね。たった一晩隣国の王子のお相手をしただけで、ジャンヌ様は妊娠してしまったの。その事を王がどう思われたのか、私達には想像もつかないわ」 そう言ってオリガは視線を伏せた。 なるほど。オズワルドがある日突
俺はいつもダリアがするように壁に凭れ掛かって片手でそれをゆっくりと扱き始めた。 けれどやはりサキュバスのように上手くはいかない。あの絶妙な握り具合や柔らかさ、それに温度は俺には出せないものばかりだ。「っ、ぅ、っ」 それでもどうにか根本を扱きながら先端を擦ると、ようやく先走りが溢れだした。さっさとイッて寝よう。そう思えば思うほど時間がかかると気付いた俺は、必死になってダリアとの情事を思い出す。「はっ、う、っく」 するとどうだ。途端に先走りの量が増えどくどくと脈打ちだした。ダリアの影響はあまりにも大きい。 先走りを塗りつけるように先端に手を滑らせると、初めはゆっくりと扱き始める。 今まで幾度も自慰をした事はあるが、誰か特定の人物を思い描いてこんな事をした事など無い。 段々と荒くなる息を堪えつつ先端を包むように撫でると、ようやく何かがせり上がってきた。「はぁ、ぁ、ぅ、っ」 やがてビクビクと痙攣したかと思うと、先端から精液が溢れた。俺は壁にそのまま凭れ掛かってついでに大きなため息を落とす。「何をやってるんだ、俺は」 情けないやら恥ずかしいやらで何とも言えない感情を洗い流すようにシャワーを浴びると、ダリアとする時とは違って一瞬で萎えた。 自慰を終えて寝室に戻りベッドに転がり目を閉じるが、やはりいつまで経ってもダリアからの連絡はない。 そんな時間をやり過ごしながらウトウトし始めたその時だ。ようやく電話のベルが鳴った。※ 意気揚々とサロンに戻ると、私は真っ直ぐオリガの元へ向かった。なし崩し的にここへやってきたが、そのままオズワルドに部屋へ連れ込まれたので実はここのシステムが何一つ分かっていない。「お疲れ様。さっきの勅令って何のお話?」 おかしそうに尋ねてきたオリガに、私は端的に先ほどの話をオリガに教えた。すると、オリガは真剣な顔でコクリと頷く。「そんな勅令が無くてもあなたにそんな事をする人は居ないと思うわ」「え⁉ ど、どうしてですか⁉」
「ありがとうございました、王」「いや。ではな」「はい。またのご利用をお待ちしております」 今度は深々と頭を下げたオリガを見て、私達もサロンのドアをくぐる。 馬車に乗り込んだオズワルドがふと窓から顔を出して手招きしてきた。「なに?」「これをお前に預けておく。あの部屋は好きに使え。それから毎日夜の18時以降は空けておけ。来られない時は連絡する。これは城の俺の部屋の番号だ」「分かった。来られない時は他の人とヤッていい?」「……ああ」 そう言って手渡されたのは、あの部屋の鍵と数字が羅列されたメモだ。それを何の気無しに受け取った私は、元気よく手を振ってオズワルドを見送ったが、オズワルドは始終何とも言えない顔をしていた。 ※ ダリアに手渡したのはサロンの部屋の鍵だ。恐らくダリアの中の俺は本当にセックスで自分を満足させてくれる相手ぐらいにしか思われていない事も承知している。だからこそ余計に預けておきたかったのかもしれない。 少しでもダリアの首に首輪をつけておきたかったのだ。ついでに俺の部屋の電話番号も渡したが、こちらの思いなど何も知らないダリアはそれを雑にポケットに突っ込んで笑顔で手を振ってくる。 その顔が何だか憎らしくて、思わず顔を顰めてしまった。 帰りの馬車から外を眺めていると、街の灯りが一つ、また一つと消えていく。そんな明かりを見ていると、たまに、ふとした拍子に全てを投げ出してしまいたくなる。 王という役職は孤独だ。俺は割り当てられた役を演じていただけに過ぎないのに、いつの間にかそれがオズワルドという人間になってしまった。 ダリアは俺にデートが下手くそだと言ったが、あれは正しかったのだ。羊を見て可愛いと思う気持ちも、野花の名すら知らないのだから。 けれどそんな事は王には必要のない知識で感情だ。それも分かっている。分かっているが、そんな事すら知らない人間はどうなのだろう? 全ての感情が豊かなダリアこそ、実はとても人間らしいのではないだろうか。だ
「んー……オズ、オズワルド」「……んん?」「もう夕方だよ。お城に戻らなくていいの?」 明日からまた仕事だとオズワルドは言っていた。それなのにこんな時間まで惰眠を貪っていて良かったのだろうか? 珍しく寝起きの悪いオズワルドの寝巻きのボタンをゆっくりと外すと、オズワルドの首筋から胸にかけてそっと指を這わせる。 その途端、驚いたようにオズワルドはパチリと目を開け、私を軽く睨んできた。「この起こし方は止めろ。心臓に悪い」「えー、最高に良い目覚めじゃない?」「どこがだ。また縛られるんじゃないかとヒヤヒヤするから止めてくれ」 そう言ってオズワルドは私に覆いかぶさり、何を思ったのか首筋を甘く噛んでくる。「ちょ、お休みの日はそういう気分にならないんでしょ⁉」 私が問いかけると、オズワルドは少しだけ首を傾げてすぐにニヤリと笑った。「お前が相手だとそうでもないようだ」 そう言ってオズワルドは私のナイトドレスの中に手を差し入れてきて、胸をゆるゆると揉みだす。「んっ」 思わず漏れた声にオズワルドは意地悪に笑って噛みつくようなキスをしてきた。 それから私達は夕飯の時間までたっぷりと互いの性欲を発散させ、何だかスタミナがつきそうな夕食を食べて今度はソファでして、やがて——。「流石にタイムリミットだな」「月がもうあんな所まで昇ってるけど、大丈夫なの?」「大丈夫ではないな。御者がハラハラしていそうだ」 笑いを噛み殺しながらシャワーを浴びに行ったオズワルドは、そのまま軍服に着替える。 その間に私も適当なドレスを着てオズワルドの曲がった勲章を直すと、背伸びをしてオズワルドの頬にキスをした。「お疲れ様でした、王。今日はゆっくりお休みを堪能できましたか?」「お前がそんな態度を取ってくると寒気がするが、まぁなかなか充実した休みだったんじゃないか」
私はそんなオズワルドを横目にカウンターバーに行って色々とお酒を眺める。ここには本当に色んなお酒が揃っていて見ているだけでも楽しい。「ねぇオズワルド、ちょっと部屋出てもいい?」「構わないが、どこへ何しに行くつもりだ?」 本から顔も挙げずにそんな事を言うオズワルドに私は頬を膨らませて言い返す。「厨房だよ! ちょと果物貰ってこようと思って。駄目?」「厨房か。厨房はこの部屋を出て廊下の突き当りを右だ」「分かった! ありがとう」 私は意気揚々と部屋を出て長い廊下を歩く。昨夜見た時は何だか雰囲気のある廊下だと思ったが、明るい所で歩くと全然違って良い。 景色を見ながら廊下を進んでいると、昨日のロビーのような場所にたどり着いた。そこでは今日も美しいオリガが眼鏡をかけて書類をまとめている。「おはようございます」「ん? ああ、ダリアちゃん。おはよう。王は?」「今は読書中です」「そう。お休みの日をここで過ごされるのも三年ぶりねぇ」 そう言ってオリガは眼鏡を外して懐かしそうに目を細める。「それまでは王はここでしょっちゅうお休みされてたんですか?」「ええ。ここはサロンだからね。お休みの日は王は一人でここで過ごされていたわ。でもそれは王だけじゃないわね。他の方達も結構お休みに利用されるのよ」「そうなんですか」「そうなの。ところでダリアちゃん、今日のご予定は?」「今日は王がたまにはここで大人しく休めって脅してくるので、大人しくしてるつもりです。あ、でもお仕事あったら働きます!」「お仕事は大体夜だから安心して。それよりも王が自分の部屋で休めって?」「はい。多分私の行動を怪しんでるんだと思います!」「えっと、それはどういう事?」「野放しにしておくと、どこで男を襲うか分からないと思われてるんだと思います!」「……そうなの。なら今日はゆっくり王に監視されていなさいね」「はぁい!」
気がつくと私はオズワルドに抱きかかえられた状態でベッドに居た。そして相変わらずナイトドレスのボタンはきっちり一番上まで閉まっている。「あー……あのまま寝ちゃったのかぁ……」 眠い目を擦りながらぽつりと言うと、それまで固く目を閉じていたオズワルドがうっすらと目を開けた。「……お前、王を差し置いて風呂で寝るとは、良い度胸だな」「ごめんってば! ちゃんと服とか着せてくれたんだね」「仕方ないだろう? 素っ裸のまま風呂に放置など出来ないだろうが」「はは、確かに」「正しくは、身体も洗ったし頭も洗った。乾かして服を着せた、だ。感謝しろ」「えっ⁉」 まさかそこまでしてくれているとは思ってもいなくて思わずオズワルドを凝視すると、オズワルドは少しだけ怯んだように引きつる。「いや、冗談だぞ? 信じるなよ?」「なんだ、びっくりした……そんな献身的な人なのかって思っちゃった」「冷酷王と呼ばれている人間が、そんな事すると思うか?」「思わないけど、オズワルドは全然冷酷じゃないじゃん。皆の勝手なイメージだよ」 言いながら私はベッドから下りると、水差しに入っていた水をグラスに注いで一つをオズワルドに手渡した。「はい、どうぞ」「ああ、すまない」 水を受け取ったオズワルドはそれを一気に飲み干して自分もベッドから出てくる。「朝ご飯とかってどうしたらいいの?」「ん? ああ、あれを使え」 そう言ってオズワルドが指さした先に置いてあったのは、昔懐かしいダイヤル式の電話だ。しかも何だかお洒落である。「凄い! 懐かしい!」「懐かしい?」「うん。私の時代にもこれあったんだよ。まぁ、とは言えはるか昔の事だけどさ」 何だか意外な所でレトロな物に出会ってしまって思わず嬉しくなった私は、受話器を取ってオズワルドを見上げた。そんな私







