LOGINそれから馬車は華やかな王都を抜け、閑静な住宅街も抜けてどんどん城から遠ざかった。
一体どこまで行くのかと窓の外を凝視していると、はるか前方の方に脇道に向かって淡いランプが灯っているのが見えた。
馬車は脇道までやってくると、何の躊躇もなくその脇道に進んでいく。ランプに導かれるように進むと、正面に白亜で出来た豪華な小さめの城のような建物が見えた。その前には高級そうな馬車が2台ほど止まっている。
私は思わず眠っているオズワルドの肩を揺すると、興奮しながら言った。
「ねぇねぇオズワルド! もしかしてあの建物がそう!?」
「ん……もう着いたのか?」
私に起こされたオズワルドは髪をかきあげながら起き上がると、窓の外を見て頷く。
「そうだ。ああ、あいつらも抜け出して来たのか。一体いつの間に……」
「知り合いの馬車?」
「ああ。宰相と騎士団長だ。ここは表向きには会員制のサロンなんだ。だからここで酒を飲んだり
そんな私をさらに追い込むようにオズワルドは強めに胸を揉み、空いている方の手で下着の中の敏感な場所に直接触れた。「やぁっ!」 一際大きな声を出した私を見下ろしてオズワルドは意地悪に微笑むと、私の乳首を口に含み、舌先で乳首をコロコロと転がし始める。かと思えばたまに甘く噛んだり指で摘まんだり弾いたりしている。「あ、やぁっ、 噛んじゃやぁ!」「好きなくせに、よく言う」「ひゃんっ」 オズワルドは胸を舐めるのを止めておもむろにまたキスをしてきたかと思うと、今度は私の耳を舐めたり甘噛みしてくる。 その間もオズワルドの指先は固くなった敏感な場所を摘み、弾く。円を描くように敏感な場所を潰されると、それだけで達してしまいそうだ。「あっ、やっ、ああん、だめっ、それ好きぃ」「ああ、気持ち良いな。一度イッとけ」「うん、うん! あぁっ、あぁぁぁ!」 軽くイッた私がオズワルドの指の動きに合わせるように腰を動かすと、オズワルドは小さく笑う。 私の中は既に自分の愛液でドロドロだ。オズワルドの指に腰を押し付けて私は涙目で言った。「ねぇ、お願い……もう我慢できないよ」「今イッたばかりだろう」「でも、欲しいんだもん……」「仕方ないな」 そう言ってオズワルドが大きくなった熱い塊を中に少しずつ挿入してきた。媚壁を擦りながら最奥に辿り着くと、私の身体はそれを待ち望んでいたかのように震える。 オズワルドはゆっくり動き始めたが、次第に激しくなり肌と肌がぶつかり合う音が響くようになった。「あっ、あんっ、気持ちいいっ」「はぁ……俺もだ」 オズワルドは私の腰を掴むと、さらに激しく打ち付け始めた。その度に最奥を押し潰され、頭が真っ白になるほどの快感に襲われる。「あぁっ、だめ、またイッちゃうっ」「好きなだけイけ」 ラストスパートをかけるようにオズワルドはさら
「もしかしてこうなるの分かってた?」 部屋へ戻って飲み物の準備をしながらソファで髪を乾かしているオズワルドに尋ねると、オズワルドはぶっきらぼうに「ああ」とだけ答えた。「先に言ってくれればいいのに」「俺が居たら皆が気を遣うから嫌だと?」「……それも言えないね」「ああ。買い食いが出来るようになっただけ良しとしておく。今日のはなんだ?」「カルーアミルク! コーヒーリキュールがあったからさ!」 そう言ってオズワルドの前にカルーアミルクを置き、私も正面に座って髪を乾かし始めた。「ふぅん。見た目はカフェオレだな」「でもお酒だよ。案外アルコール度数は高いんだ」 私の言葉にオズワルドはカルーアミルクを一口飲んで一瞬目を輝かせて私を見たけれど、すぐに視線を逸らす。「美味いな」「でしょ? 休みの日は絶対にこれ飲んでたんだよ」 半乾きの髪を放ったらかしてカルーアミルクを飲む私を、オズワルドは今度はじっと見つめてくる。それなのに視線が合うとスッと逸らすのだ。「なに?」「……いや……俺のシャツを着ているだけなのにな……おかしな気分になりそうだ」「ああ、彼シャツにときめいたの?」「彼シャツ?」「そう。彼氏のシャツ。略して彼シャツ。まぁ、私達の場合はセフレシャツだけど」「セフレ?」「セックスフレンドの略」「……そうだな」 何だかムッとした様子のオズワルドだが、またカルーアミルクを飲んで目を輝かせた。どうやら相当気に入ったようだ。「これは難しいのか?」「ううん。コーヒーリキュール入れて牛乳入れて、そこにもうちょっとコーヒー足すだけ」「簡単だな。城でもやってみよう」 そう言ってオズワルドは立ち上がると、おもむろに私に近づいてきて無理やり上を向かせて
「刺殺されたいと言うのなら止めはしないが」「分かった。オズだけでいい。わがまま言わない」「よし」「……はぁ……オズワルド、いつか返すからパンツ買って……」 私の突然な金銭の要求に皆はギョッとしたような顔をするが、オズワルドだけは当然だとでも言わんばかりに頷く。「ああ。用意しておこう。オリガ、ついでに警護の者達を呼んですぐにこいつの部屋を調べさせてくれ」「はい」「アル、お前はそちらの件を頼む」「分かってるよ。それじゃあサキュバスちゃん、おやすみ。スノーさん、僕の部屋に行って続きを聞かせてくれる?」「は、はい! あの、ダリア、その……」 スノーがアーノルドの側から離れて子兎のように震えながら寄ってきた。どうやらオズワルドが怖いようだ。 私はオズワルドから少しだけ距離を取ってスノーに近寄ると、スノーはビクビクしながら顔を真っ赤にして言う。「あの、下着、無いんだったらその、明日にでもその、お買い物にい、行かない?」「え?」「い、嫌だったらいいの! ダリアはきっと王都をまだ観光してないのかなって、昨日あれからずっと考えてて、だから私、誘ってみようかってその……」「それはめちゃくちゃ嬉しい! 行こ! 可愛い下着探すの手伝って! は! お金!」 遊びに行こうと誘われた事が嬉しくて思わず二言返事をした私だったが、ふと全財産を盗まれた事を思い出してしまった。 その時、後ろからスッと手が伸びてくる。「これを使え。スノーと言ったか」「は、はい」「こいつを頼む。往来でおかしな事を言いだしたらとりあえず甘いものでも食わせておけ。もちろんお前も食べるんだぞ」 そう言って手渡されたのは金貨が2枚だ。それを見て私は思わず震え上がる。「都会のスイーツ高すぎじゃない⁉ 金貨2枚分もすんの⁉」「そん
「落ち着け。宰相の手に渡っていないという事は、そこに届くまでに誰かが揉み消したということか」「スノーさんの話が本当ならね。サキュバスちゃん、君の頼みを聞くよ。もしかしたら何かに繋がるかも知れない」「何か起こってるの?」 思わず私が問いかけると、アーノルドは爽やかな顔をして首を振る。「何も。でも何か起こってからじゃ困るからさ。オリガさん、スノーさんを指名してもらえるかな?」「はい、畏まりました」 そう言ってオリガは立ち上がり、ちらりと私を見てオズワルドを見る。そんなオリガを見てオズワルドが言った。「こいつはここへ置いて行ってくれ。お礼をいっぱいしてくれるんだろう?」「もちろん! そうだ! 私の部屋貰ったんだよ! 見に来る⁉」「いや、別に——」「まぁまぁそう言わず! めちゃくちゃ可愛いんだから! ついでにしよ! 部屋見ながら色々考えてたんだぁ!」「……お前には何と言うか、恥じらいとか情緒とかそういうのは無いのか?」「滅多に無いかな」「だろうな。そういう訳だ。二人共出てくれ」 呆れたオズワルドが真っ先に部屋を飛び出した私の後からついてきて、まだ部屋の中でポカンとしているオリガとアーノルドに言うと、二人は呆気に取られたような顔をして部屋を出てきた。 四人でロビーまで戻ると、アーノルドにこのお礼は必ずするからと言ってそこで別れてオズワルドの手を引いて自室に向かう。「そんなに可愛い部屋を貰ったのか」「もうね、凄いよ! 私の住んでたとことかテントなんて比べ物にならないよ!」「そうか。良かったな」「うん! こんな所で暮らせておまけにやりたい放題だなんて、ここ天国だよね⁉」「お前にとってはな。だが他の者にとってはここは地獄だ。お前、ハブられてるだろ」 あけすけなオズワルドの言葉に私はぐるりと振り返って、オズワルドの鼻先に指を突きつけた。「今だけだよ! 私はここのヌシになるもんね!
「オズワルド! アーノルドさん!」 勢いよく走り出した私はオズワルドの目の前で躓いてしまったが、オズワルドが軽々と私を抱きとめる。そんな様子を見てアーノルドは驚いたような顔をしていた。「鈍臭い女だな。それよりもお前、この俺を呼びつけたんだ。しょうもない事だったら容赦しないからな」「しょうもなくなんて無いよ! すっごく重要な事! アーノルドさんも来てくれてありがとう。後でとっておきのカクテルをご馳走するね」「やぁ、また会ったね、サキュバスちゃん。ところで僕に用事って? 言っておくけど今日は君の好きにはさせないよ?」「うん。今日の相手は私じゃないんだ! ちなみにアーノルドさんは小動物って好き?」「突然何の話?」「いいから答えて」「好きだよ。嫌いな動物とか特にないな」「なるほど。それじゃあ白くてちっちゃくて可愛らしいウサギとかは?」「好きだよ。可愛いね」「うんうん! ありがとう!」 私はそれだけ言ってくるりと踵を返すと、オリガに向かって言った。「オリガさん! 宰相様は白くてちっちゃくて可愛い子大好きだって!」 そう叫んだ私の肩をアーノルドが掴んだ。「待って、一体何の話?」「ちょっと事情があって。これからちゃんと説明するよ。オズワルド、部屋貸して」「ああ。それは俺も聞いていい話か?」「もちろん。むしろオズワルドにも是非聞いてほしい」「分かった。いくぞ、アル」 オズワルドの言葉にアーノルドは頷き、二人は歩き出す。その後ろを私とオリガもついて行った。そしてオズワルドの部屋の前までやってくると、オズワルドがくるりとこちらを向いて手を差し出す。「?」 手を差し出されたので何気なくその手を握ると、オズワルドにその手をはたき落とされる。「違う、鍵だ」「? ああ!」 そう言えばオズワルドから部屋の鍵を預かっていたのだった。 それを思い出した私はネックレスにしていた鍵を胸元か
※「は? こら、お——」 人助け? アーノルドを連れて行く事で誰かが助かるのか? 全く意味がわからなくてようやく身体を起こした所でダリアからの電話は切れた。「……」 ふつふつと湧いてくる怒りと眠気、それからあまりにも自分勝手で気安すぎるダリアに色んな感情が噴き出しそうになるが、そんな気持ちを全て飲みこんで俺は無言で電話線を抜いてもう一度眠りに落ちたのだった。 翌朝、昨夜の電話をアーノルドに伝えると、アーノルドは何故か一瞬顔を強張らせつつも頷いた。そんな反応を見て何か嫌な予感がした俺は間を開けずに言う。「俺も行く。どのみち最初からその予定だ」 その言葉にアーノルドは途端にホッとしたような顔をした。一体何を考えたのかは何となく想像がつく。また襲われるのではないかと思ったのだろう。「助かるよ。それじゃあまた夜に」「ああ」 それから城下町に視察に行き各地から届く嘆願書に目を通していると、セルクがやってきた。「オズ、ちょっと良いか」「ああ。どうした?」「見張りをつけた慰み者の女の報告だ」「何かあったか」「ああ。逃げられた。昨日の夜までは報奨で受け取った屋敷に戻ったようだが、深夜の間に抜け出したようだ」 それを聞いて俺は嘆願書から視線を上げて眉根を寄せてセルクを見上げると、セルクも顔を顰めている。「まさかとは思うが、色仕掛けでもされたのか?」「そのまさかだ。あの女も慰み者だったという事をすっかり忘れていたらしい」「……馬鹿どもが。そいつらの処分は任せる。それで、屋敷に何か残っていたか?」「ああ、これだ」 そう言ってセルクが取り出したのは黒い花のペンダントだ。恐らくこれがダリアの言っていたものだろう。「今足取りを追っているが、どうも隣国に逃げたようだ。いや、逃げたとは違うな。戻った、が正しい」「やはり結構な数のスパイが入り込んでいるな







