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第12話:閉ざされた工房と消えた道具

Author: 秦江湖
last update publish date: 2026-09-02 22:00:14

「あら、何かお探しですの? 真白様」

薄暗い部屋の扉口に立っていたのは、五十がらみの小柄な女――黒羽家の家政婦長を務める森山だった。

しわの寄った口元に貼り付いた、冷たい笑み。その細められた瞳には、隠しようもない悪意が宿っていた。

「森山さん……私の机の上にあったノートや製図道具を知りませんか? ここに置いておいたはずなんです!」

真白が詰め寄ると、森山はわざとらしく肩をすくめてみせた。

「ああ、あの薄汚れた紙切れの山のことですの? 散らかっておりましたので、わたくしが処分場へ回しておきましたわ」

「処分……!? 勝手に何をしているんですか! あれは私の大切な道具とお母様の遺品なんです!」

「身代わりの平民風情が大声を出すものではありません」

森山は一転して冷淡な声音になり、真白を睥睨した。

「ここは由緒正しき黒羽家の本邸。ガラクタを部屋に散らかして職人気取りなど、麗奈お嬢様のお目汚しでございます。お前のような女に買い与える道具など、この屋敷には一つもございませんのよ」

(麗奈……! あいつの差し金ね……!)

征四郎と麗奈の息がかかったこの家政婦長が、真白の練習を妨害するために意図的
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