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第15話

Author: 瑞木結花
余計なことを言う必要なんてない。

ここ数年で書き溜めたノートがまだいくらか残っていて、そのすべてを満の部屋に積み重ねていた。

結月はそれらを手早くまとめ、スーツケースを引いて階下へ降りた。

玄関を出た瞬間、十八歳くらいの女の子が小さな砲弾のような勢いで胸に飛び込んできた。

そして猫がじゃれつくように、思いきり抱きついて頬ずりしてくる。

「結月姉ちゃん!大好きな結月姉ちゃん、久しぶり!会いたくて死にそうだった!」

結月はその勢いに押され、たたらを踏んで数歩後退した。

反射的に少女を受け止め、驚きの声を上げる。「玲奈?いつ帰ってきたの?」

桐山玲奈(きりやま れいな)は、結月にしなだれかかったまま離れようとしない。

「今帰ってきたの。だって、どうしても会いたくなっちゃって。それで車で送ってもらって、そのまま来たの。

あれ?スーツケースなんて持って、どうしたの?遠くへ行くの?」

結月は玲奈の頭をそっと撫でた。

「遠くへ行くんじゃないの。ここを出るつもりなの」

「えっ!?」

兄よりも兄嫁である結月の方が大好きな玲奈にとって、その一言はまさに青天の霹靂だった。

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