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第367話

مؤلف: 幸月
政夫の顔から、先ほどまでの穏やかな笑みが完全に消え失せた。その声は雷鳴のように、あるいは老いた虎の重い咆哮のようにリビングに響き渡った。

「本当に、お前たちは上手に芝居を打てるものよな!」

その凄まじい一喝に、瑞枝母娘は膝から崩れ落ちそうになった。

事態が収拾のつかない凄惨な方向へ転がりかけたそのとき、杏奈がすっと前に出た。

「おじいさん、どうか落ち着いてください」

「え?」

円香が目を真ん丸に見開き、あわてて杏奈の腕を引っ張った。

「杏奈、あなた正気!?あの二人をかばう義理なんてどこにもないじゃない。おじいさんに思いっきりお灸を据えてもらえばいいんだから!」

居合わせた使用人たちも、困惑して顔を見合わせた。散々冷遇されてきた被害者が、自ら加害者の肩を持つなどと、誰一人予想だにしていなかったのだ。

普段の杏奈であれば、あの二人など歯牙にもかけず、完膚なきまでに叩きのめされるのを冷ややかに眺めていただろう。

だが今、政夫の顔は怒りで赤黒く膨れ上がり、呼吸が明らかに荒くなっているのに、誰一人として気にかけていない――そんな危うい状況で、杏奈は黙って見過ごすわけにはいかな
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