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61:金より重い紙

last update Petsa ng paglalathala: 2025-12-24 06:36:15

 数日後の午前11時、アーク・リゾーツ本社、最上階にある大会議室。

 窓の外には東京の摩天楼が広がっているが、室内の空気はピンと張り詰めていた。

 重厚なテーブルを挟んで、隼人と大河原老人が向き合って座っている。傍らには顧問弁護士たちが控え、テーブルの上には分厚い契約書が置かれていた。

 大河原老人は、契約書の最後のページに筆ペンで署名をした。そして実印を朱肉に押し付け、紙の上に運ぶ途中で手を止めた。

「……黒崎社長。特約条項は、忘れておらんだろうな」

 老人の鋭い視線が飛ぶ。隼人は動じることなく頷いた。

「もちろんです。第15条をご確認ください。『敷地内庭園の保存、および新施設設計への妻・小夜子の監修権限を保証する』と明記してあります」

 老人は老眼鏡の位置を直すと該当箇所を目で追い、満足げに鼻を鳴らした。

「よろしい」

 タンッ。印鑑が契約書に押される。契約成立である。

 その瞬間、室内に充満していた緊張の糸がふっと緩んだ
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