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【第59話】黒幕の庭園

Penulis: 櫻恭史郎
last update Tanggal publikasi: 2026-09-03 18:10:12

 白亜宮へ戻る途中で馬車を止められたセラは、国王陛下の招きにより、その場で豪華な国王の馬車へと乗り換えることとなった。

 リタとレオンは、セラが乗っていた馬車で、あとからついてくる。

 国王とふたりきりで馬車に乗り、揺られることしばらく。到着した場所は、色鮮やかな大輪の花々が咲き誇る、広大で美しい王家所有の私的な庭園だった。

 リタとレオンは、馬車のある場所に残り、セラは、国王とふたり連れだって歩いた。

「この花は、今が見ごろだな。最近の晴れ間つづきで、ずいぶん機嫌がよさそうだ」

 静かな庭園を、国王は上機嫌で歩いていく。

 セラが興味津々で花を見ていると、国王はひとつひとつ丁寧に、花について教えてくれる。

「これは南国から取り寄せた珍しい品種だ。昼下がりに甘い匂いをさせるんだ。こっちは朝と夜で色が変化する、不思議な花

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     白亜宮へ戻る途中で馬車を止められたセラは、国王陛下の招きにより、その場で豪華な国王の馬車へと乗り換えることとなった。 リタとレオンは、セラが乗っていた馬車で、あとからついてくる。 国王とふたりきりで馬車に乗り、揺られることしばらく。到着した場所は、色鮮やかな大輪の花々が咲き誇る、広大で美しい王家所有の私的な庭園だった。 リタとレオンは、馬車のある場所に残り、セラは、国王とふたり連れだって歩いた。「この花は、今が見ごろだな。最近の晴れ間つづきで、ずいぶん機嫌がよさそうだ」 静かな庭園を、国王は上機嫌で歩いていく。 セラが興味津々で花を見ていると、国王はひとつひとつ丁寧に、花について教えてくれる。「これは南国から取り寄せた珍しい品種だ。昼下がりに甘い匂いをさせるんだ。こっちは朝と夜で色が変化する、不思議な花だ。それから、あそこに咲いているのは……」 セラは色とりどりの花の、面白い特徴に思わず瞳を輝かせながら言った。「まあ……、とても面白いですね。いろんな特徴があって、とっても不思議です。それに可愛いです」「可愛いよなあ。わたしが、花に詳しいのは、似合わないだろう?」 そう言って笑う国王の姿を、セラは好ましく思って言った。「いいえ、とてもお似合いです。陛下は体格が良くて男らしい姿をしていらっしゃるので、可愛い花と一緒におられると、雰囲気がやわらかくなって話しやすい感じもします」「セラちゃんは、物おじしないな」 国王は楽しそうに笑うと、庭園の奥、ガゼボに用意されていた豪華なお茶の席へとセラを促した。

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