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【第58話】追跡と予期せぬ遭遇

Author: 櫻恭史郎
last update publish date: 2026-09-02 18:10:04

 口元に傷のある男が、王妃の耳元でなにごとか囁いた後、王妃は唐突にお茶会の散会を告げた。

「本日のサロンはここまでにいたしましょう」

 急なおひらきだったが、いつものことなのか、集まっていたご婦人やご令嬢たちは慣れた様子で王妃の言葉に従い、庭園をあとにしていった。

 セラもまた、失礼のないよう、しっかりと王妃に向かって礼をつくしたのち、その場を離れ、控えの間で待機していたリタとレオンのもとへと向かった。

 二人の姿を見つけた瞬間、胸の奥に溜まっていた緊張がふっと緩むのを感じる。

「セラ様! おかえりなさいませ!」

 リタが笑顔でそう言う隣で、レオンが何か大きな焼き菓子を、あわてた様子で口に放り込んでから言う。

「おふふぁれさまでした~」

 リタが、レ

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