INICIAR SESIÓN誠は眉をひそめ続ける。「本来なら夏目さんにこのことを伝えるつもりでしたが、ちょうどあなたが来ました。なので、あなただけでも知っていればいいでしょう。夏目さんをこれ以上煩わせたくはありませんので。それに、あなた方夏目家は夏目さんにあまりにも多くのものを背負わせました。もし、それが償えないというのであれば、もうこれ以上彼女の人生をかき乱さないであげてください」そう言い終えると、誠はもうこれ以上言葉を交わす気もなく、くるりと背を向けて去っていった。深い罪悪感に押しつぶされ、達也はその場に立ち尽くした。......そしてその夜。過酷な拷問を受けていた誠也は、飛行機が到着するなり、すぐに病院
誠の緊張した様子を見て、凛は微笑んだ。「あなたがいるんだもの。私に何かあるわけないでしょ?綾辻さんはもうすっかり虫の息。それに、あちこちで監視されているようなもんだから、少しでも姿を見せたら必ず足がつくはず。私が会議の前に動画を公開したのは、彼の逃げ道を先に断つため。それに、あの島の件はもう国際的な騒ぎになってるし、関係者もたくさんいる。たとえ綾辻さんが海外に逃げられたとしても、待ち受けているのは権力者たちからの報復。こんな状況で、軽はずみな行動に出られるわけないの。だから、彼はまだ北都にいて、恒夫さんからの成功連絡を待っていると思う。残念だけど、もうその連絡は来ないんだけどね」視
「凛、言い訳はよして。凛は優しいんだから」慶吾を睨みつけながら雪は言った。「この人にあんな酷い態度を取られたっていうのに、それでも傍にいてあげるなんて、あなた、なんて心が広いの。ある人はさ、自分がすごいとでも思ってるのよ。けど、結果どうなったと思う?車椅子で会社に行ったはいいけど、そこで倒れて病院にまた戻ってきたのよ。なのに、まだ人を見下していられるなんて、ねえ?」......雪はそうまくしたてた後、ふと気づいた。慶吾は、いまの今まで一言も発していない。普段なら、とっくにテーブルを叩いて怒鳴っているはずなのに。一体どうしたのかしら!雪は近づき、慶吾の額に手を当てる。「あなた、怒り
凛が霧島グループの会議に出席したというニュースは、業界内へ瞬く間に広まった。凛が聖天の事業を全て継承するのではないかという憶測が飛び交う。加えて、会議へ出席する前に、謎の投資家集団を告発する動画を公開したことで、霧島グループもその影響を受けているのではないかと噂された。聖天が事故にあった時でさえ霧島グループの株価が影響を受けることはなかったが、凛が株主総会へと出席したというニュースが流れた翌日には霧島グループの株価は10%以上も下落した。なぜならば、多くの人は賭けに出ることを恐れ、ましてや女性である凛が、この危機を救えるとは到底信じていなかったからだ。世間が凛のことでもちきりになってい
慶吾は一部始終を聞いて肝を冷やし、震える指で恒夫を指さした。「この裏切り者め......よくも弟を陥れるような真似ができたな......」「お父さん、こういうことなんだよ。ここまで聞けば、もうどうすればいいかわかるだろ?」恒夫は勝ち誇ったように言った。「正直に言うよ。俺は綾辻社長と手を組んでいる。だから、お父さんは俺を北都から逃がしてくれればいいんだ。うまくやってくれれば、老後の心配はさせないから」「綾辻?」慶吾は驚き、目を見開く。凛が病院で言ったこと、そして昨夜見た動画を思い出し、慶吾の頭の中で全てが繋がった。外部の人間と結託して霧島グループを乗っ取ろうとしていたのは、恒夫だったの
慶吾の目に燃え盛る怒りを見て、恒夫は急に強気な態度になり、ふっと鼻で笑った。「お父さん、俺はあなたの息子なんだ。それでも、見捨てるっていうのか?聖天が死んだ今、霧島家には俺と修平しか残っていない。もし俺たちまでいなくなったら、霧島家はどうなると思う?こんな大企業を、外のやつに譲るつもりか?」こう言われ、慶吾は息苦しさを感じた。胸を押さえ、大きく息をしながら、恒夫をじっと見つめる。そこにはまるで、知らない人間がいるようだった。自分が知っている恒夫は、どんなに聖天と敵対していても、常に長男として落ち着き払っていて、着実に努力していたはずだった。しかし、目の前の恒夫は......悪意に







