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第 62 話

Author: 一笠
優奈は慌てて身支度を整えてトイレから出てくると、自然な笑顔を作ってドアを開けた。

温かい牛乳を持ってきた美代子は不思議そうに尋ねた。「どうしたの?こんなに時間がかかって?」

「なんでもない、トイレに入っていたの」

優奈は牛乳を受け取り、素直に言った。「お母さん、もう遅いから、早く休んでください」

ふと、美代子は優奈がハイヒールを履いていることに気づき、眉をひそめた。「どうして靴を履き替えていないの?」

「私......」

優奈はとっさに言い訳を考え、もう片方の手で腹を押さえた。「さっき、お腹を壊しちゃって、急いでいたの」

「何か変な物を食べたの?」美代子は心配そうに尋ねた。「薬を持ってきましょ
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