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第 802 話

作者: 一笠
その後、誠也は朔がケーニグセグに乗り込むのを見送った。黒光りするスポーツカーは、夜の闇に吸い込まれるように走り去っていった。

誠也は胸の高鳴りを抑えながら、ポケットの中のメモを握りしめた。

初対面の朔に対するわずかな疑念は、二十億を超える高級スポーツカーを目にした途端、すっかり消え去っていた。

朔の真意は分からなかったが......力のある人物であることは間違いない。もしかしたら、夏目家を救う切り札になるかもしれない。

その時こそ、自分が役立たずではないことを証明できる。

これまで受けた屈辱は、必ず倍にして返してやる。

野心を胸に帰宅した誠也は、リビングのフロアスタンドが灯っているのを見た。

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