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第25話

Auteur: 白石 澪
番外——諒について

一夏と離婚して以来、諒はまるで魂を失った人形のように日々を過ごしていた。

一瞬たりとも一夏のことを忘れる日はなく、二人が共に過ごした日々を何度も思い返していた。

初めて一夏に出会ったのは、高校時代。

同じ学校に通い、家も近かったため、よく一緒に登下校していた。

あの頃の諒は成績が振るわず、自分に自信を持てずにいた。

そんな彼を、一夏は毎日放課後に捕まえて一緒に宿題をし、苦手な箇所を教え、試験前には復習まで付き合ってくれたのだ。

その後、自信に満ちた一夏を見て、諒は彼女を目標にし、一歩ずつ近づき、やがて二人は同じ大学に合格した。

受験が終わったその夏休みは、二人にとって最も幸福な時間だった。

諒は一夏に告白し、一夏はそれを受け入れた。

彼は一夏の誕生日に手作りのケーキを用意した。

見た目はあまり良くなかったが、一夏は最後まできれいに食べてくれた。

一夏が目を閉じて願い事をすると、諒はそっと耳元で囁いた。

「俺の彼女になってくれる?」

一夏は驚いたように目を開け、恥ずかしそうに小さく頷いた。

喜びに満ちた諒は、彼女の額に軽く口づけをし、どん
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    番外——諒について一夏と離婚して以来、諒はまるで魂を失った人形のように日々を過ごしていた。一瞬たりとも一夏のことを忘れる日はなく、二人が共に過ごした日々を何度も思い返していた。初めて一夏に出会ったのは、高校時代。同じ学校に通い、家も近かったため、よく一緒に登下校していた。あの頃の諒は成績が振るわず、自分に自信を持てずにいた。そんな彼を、一夏は毎日放課後に捕まえて一緒に宿題をし、苦手な箇所を教え、試験前には復習まで付き合ってくれたのだ。その後、自信に満ちた一夏を見て、諒は彼女を目標にし、一歩ずつ近づき、やがて二人は同じ大学に合格した。受験が終わったその夏休みは、二人にとって最も幸福な時間だった。諒は一夏に告白し、一夏はそれを受け入れた。彼は一夏の誕生日に手作りのケーキを用意した。見た目はあまり良くなかったが、一夏は最後まできれいに食べてくれた。一夏が目を閉じて願い事をすると、諒はそっと耳元で囁いた。「俺の彼女になってくれる?」一夏は驚いたように目を開け、恥ずかしそうに小さく頷いた。喜びに満ちた諒は、彼女の額に軽く口づけをし、どんな願いをしたのか尋ねた。まさか教えてくれるとは思っていなかったが、一夏は笑って答えた。「諒とずっと一緒にいられますように。別れませんようにって」諒は嬉しさのあまり、彼女の頭を撫でながら言った。「そんなこと、直接言っちゃダメだよ。願い事は口に出すと叶わないって、みんな言うだろ?」一夏は慌てて口を押さえた。「だって、諒が聞くから……」諒は彼女を強く抱きしめ、「大丈夫、その願いは必ず叶う。ほら、俺たちは今、こうして一緒にいるだろう?」と微笑む。一夏は安心し、残りのケーキも完食した。「初めて作ったのにこんなに美味しいなんて、すごい」と褒めた。諒は照れくさそうに鼻をかき、「これから毎年、君の誕生日には俺がケーキを作るよ」と言った。「じゃあ、私はそのたびに同じ願い事をする。一年に一度、真剣にお願いすれば、神様もきっと守ってくれるはずよね」一夏は瞳を輝かせ、期待に満ちた笑顔を見せた。今、病室でその日々を思い返す諒の胸は、苦く締めつけられる。一夏が海に身を投げたという知らせを聞いたとき、彼の目から光が完全に消えた。翌日、諒は突然と姿を消し、誰も行

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